SEOとは?基本的な対策と取り組むメリット・デメリットをわかりやすく解説
ビジネスとしてWebサイトを運用するうえでは、どれだけ有益なアクセスを獲得できるかが重要なテーマとなります。「Webサイトのアクセス数を増やしたい」「SEOが重要と聞いたけれど、どのように取り組めばよいかわからない」といった悩みは、初めてサイト運営を行う方が抱えやすい代表的な課題ともいえるでしょう。
今回は「SEOの基本」をテーマに、目的やメリット・デメリット、対策の仕方などをまとめてご紹介します。
「SEO」とは
「SEO」(Search Engine Optimization)とは、日本語で「検索エンジン最適化」を意味するWeb関連用語です。具体的には、Googleなどの検索エンジンにおいて、自社のWebサイトを上位表示させるための一連の取り組みをいいます。
基本的には、ユーザーが必要とする情報を適切な形で届けられるように工夫し、「検索エンジンからの評価を高めること」を目的としています。検索エンジンは、ユーザーが関心を持ったキーワードを入力すると、それに合わせて関連性の高いページが表示される仕組みです。
このとき、検索結果には、検索エンジンからの評価が高いページから順に表示されます。上位に表示されれば、それだけユーザーの目に留まる機会も広がるため、アクセス数増加などの効果が見込めるというのがSEOの基本的な考え方です。
「SEO対策」とは
SEOを意識して実行するさまざまな取り組みの総称を「SEO対策」といいます。SEO対策には、大きく分けると「コンテンツSEO」「内部対策」「外部対策」の3種類があります。
詳しい内容については後ほどご紹介しますが、コンテンツSEOは「ユーザーの検索ニーズに沿った良質なコンテンツを発信し続ける」ことを指し、SEO対策ではもっとも重要性の高い施策です。また、内部対策はサイト内の構造や仕組みを調整し、検索エンジンから評価されやすいようにテコ入れすることを指します。
そして、外部対策は他のサイトからのリンクを獲得することで、検索エンジンからの評価を高める取り組みです。いずれの施策においても、考え方の土台には「ユーザーにとっての有益性を高める」という視点が存在します。
検索エンジンの評価基準も、ユーザーにとっての有益性、使いやすさなどを指標に設けられています。そのため、ユーザーが何を求めて検索しているかの検索意図を考えて、それを反映させたコンテンツの作成や最適化を図ることが重要です。
SEOに取り組む目的
先ほど述べたように、SEOの直接的な目的は、検索エンジンでWebサイトを上位表示させることにあります。そのうえで、企業がSEOに向き合う根本的な目的は、「ビジネスを成長させること」にあると考えられます。
多くのユーザーに自社のWebサイトを閲覧してもらい、資料請求や問い合わせ、商品の購入などの具体的なアクション(コンバージョン)につなげることがSEO対策のゴールです。そのため、SEOの効果はコンバージョンの数や割合、売上の変化などから測ることとなります。
SEOにおける検索エンジンの順位の決まり方
SEO対策を行ううえでは、検索エンジンがどのようにサイトを評価しているのか、メカニズムの観点からも理解しておく必要があります。Googleなどの検索エンジンでは、「クローラー」と呼ばれるロボットがさまざまなWebサイトを巡回しています。
そして、クローラーによってサイトの内容が検索エンジンに登録(インデックス)され、複数の要素をもとに検索順位が決められるというのが基本的な仕組みです。「サイト内のクロール」「インデックス」というプロセスを経る必要があるため、公開して間もないWebサイトは検索結果に表示されません。
インターネット上にあるWebサイトを巡回し、情報収集を行う「クローラー」と呼ばれるロボットに認識されることで検索結果に反映されるため、SEOではクローラーの特性を理解したうえでの対策も重要な取り組みとなります。
SEO対策の3つの種類
先ほども触れたように、SEO対策には大きく分けて「コンテンツSEO」「内部対策」「外部対策」の3つの方向性があります。ここでは、それぞれの具体的な内容について見ていきましょう。
コンテンツSEO対策
そもそもWebにおける「コンテンツ」とは、メディアの情報・中身を指します。具体的にはサイト内のテキストや画像、動画、プログラムを指しており、コンテンツSEOはこれらを最適化する施策の総称です。
最適化とは、ユーザーに検索されたキーワードに対して、検索ニーズを満たしたコンテンツを作成することです。検索エンジンでは、「ユーザーの知りたいこと・興味を持ったことに正確に応えられる有益なコンテンツであるかどうか」がとても重要な判断基準となります。
検索エンジンからの評価を向上させるために、コンテンツそのものの質を高め、サイト全体の有益性を追求していくのがコンテンツSEOの目的です。そのため、「ユーザーの検索キーワードを細かく分析する」「自社が提供できる情報に合ったキーワードを選定する」といった取り組みをベースに、サイト全体の質にも目を向けなければなりません。
そこで重要となるのが、「E-E-A-T対策」です。E-E-A-Tについては、後ほど詳しくご紹介します。
内部対策(テクニカルSEO)
内部対策とは、Webサイトの内部構造を調整し、クローラーが回遊しやすい状態を整備する施策のことです。コンテンツSEOと比べると、より技術面に焦点を当てた施策であることから、テクニカルSEOと呼ばれることもあります。
具体的には、以下のものが挙げられます。
- キーワードの最適化
- HTMLタグの最適化
- 内部リンクの最適化
- スマートフォン表示の最適化
- URL構造設計の最適化
キーワードの最適化とは、ユーザーから検索が想定されるキーワードを絞り込む作業を指します。複数のキーワードを設定してしまうと、コンテンツのテーマが曖昧になってしまい、ユーザーの検索ニーズを満たしていないコンテンツと判断される恐れがあるので注意が必要です。
HTMLタグの中でも特に重要なのが、タイトルタグや見出しタグ、ディスクリプションタグなどが挙げられます。これらのHTMLタグはユーザーがWebサイトを閲覧するときの利便性を高めるものであるため、SEO対策として重要です。
また、内部リンクの最適化は自社のコンテンツ同士をつなげるためのリンクをいいます。単にリンクを貼ればよいというものではなく、関連性の高いコンテンツ同士をつなぐことでコンテンツ全体の評価が高まります。
そして、Webサイトはスマートフォンで閲覧される場面が増えているため、見やすい画面を整えておく必要があるでしょう。Webサイトを作成するときには、スマートフォンなどの端末で見られることを想定して、デザインなどの設計を考える必要があります。
さらに、URL構造設計の最適化とは、WebサイトのURLを考えるときのポイントをいいます。シンプルで分かりやすい語句を使うなどして、検索エンジンから適切な評価が受けられるようにしましょう。
外部対策
外部対策は、主に「被リンク(外部リンク)」を獲得することによって、自社のWebサイト以外から信頼性を得るための一連の施策を指します。被リンクとは、外部のWebサイトなどに自社のWebサイトのリンクを貼ってもらう行為を指すことを押さえておきましょう。
たとえば、自社のサイトが外部の「おすすめの○○5選」のようなサイトでリンク付きで引用された場合は、そのサイトからの被リンクがあるということになります。
検索エンジンでは、被リンクの数や質も重要な評価基準の1つです。良質な被リンクが多いほど、サイトの信頼性や権威性が高いと評価されるのがSEO対策の特徴でもあります。
良質なリンクとは具体的に、自社のWebサイトよりもドメインパワーが強いサイトからのリンクや、月間PV数が多いサイトからのリンクをいいます。そのため、質の高いコンテンツを作成し、ユーザーがSNSなどで拡散したくなるような情報発信を継続することも重要な取り組みとなります。
SEO対策として有効な18の施策を種類別に解説
検索エンジンによる評価は、多種多様な要素に基づいて行われています。そのため、SEOについても、細かく分類すれば多岐にわたる対策が存在します。
ここでは、コンテンツSEO・内部対策・外部対策のそれぞれについて、具体的な施策を見ていきましょう。
コンテンツSEO対策6選
まずは、コンテンツSEOにおける代表的な対策方法をご紹介します。
1.Webサイト全体の設計を考える
コンテンツSEOの観点では、最初にWebサイト全体の設計とテーマを考えることが重要となります。ビジネスとしてWebサイトを運用するうえでは、自社の商品やサービスに合わせてコンテンツを設計しなければ効果が期待できません。
サイトのテーマを決めなければ、キーワードも選定できないため、スタートの段階で「何を知ってもらうサイトなのか」「どんなことに役立つサイトなのか」「どんなユーザーに見てもらうのか」を細かく洗い出しておくことが大切です。2.キーワードを選定する
コンテンツを作成するにあたっては、キーワードの選定が重要なポイントとなります。「どのようなキーワードが検索されやすいのか」「どのような心理で検索されているのか」を調査し、ユーザーのニーズをつかまなければなりません。
キーワードのピックアップには、キーワード選定ツールを使うのが効果的です。ツールを用いれば、実際に検索されている回数が多いキーワードを手軽に把握することができます。
キーワード選定に役立つツールとして、たとえば「Googleトレンド」や「ラッコキーワード」、「ミエルカSEO」などが挙げられます。初期費用をそれほどかけずに利用できるツールも多くあります。
そのなかから自社と相性がよく良いツールを使い、コンバージョンに近いキーワードを選ぶことで効果的なコンテンツを作成しやすくなるでしょう。3.質の高いコンテンツを作成する
コンテンツの作成にあたっては、量だけでなく質にもこだわることが重要です。SEO上の評価を高めるには、キーワードの検索目的に合ったコンテンツを作成し、サイトにたどり着いたユーザーのニーズを満たせるようにする必要があります。
検索結果を確認し、競合サイトをチェックするなどして、どのようなコンテンツを作成すればよいかを検討してみましょう。4.検索エンジンが理解しやすいように工夫する
コンテンツの作成にあたっては、検索エンジンが重視する評価基準も意識しておく必要があります。代表的な評価基準として挙げられるのがE-E-A-Tです。
E-E-A-Tとは以下のように「E:経験」「E:専門性」「A:権威性」「T:信頼」の頭文字をとった用語であり、そのコンテンツの質をチェックする基準ともいえます。
主な内容 E:経験 ・作成者の経験に基づいたものであるか
・経験ベースでユーザーの課題解決が行えるコンテンツかE:専門性 ・専門性が担保されているか A:権威性 ・外部リンクや監修者などで権威性が担保されているか T:信頼 ・最新かつ正確な情報が掲載されているか E-E-A-Tを基本的なベースとしてコンテンツを作成することで、サイト全体の有益性が向上し、検索エンジンからの評価も高まりやすくなります。
5.継続して取り組める体制を構築する
SEO対策はすぐに成果が表われるものばかりではないため、継続して取り組んでいく必要があります。コンテンツSEOでは、有益なコンテンツの長期継続的な発信が求められるため、実施する前に十分な体制を整えておくことが重要です。
社内のリソースが不足しているときは、コンテンツ作成や管理などを外部に委託し、安定的に運用するための仕組みを構築するのも1つの方法です。6.コンテンツを定期的に見直す
どれほど有益なコンテンツであっても、時間の経過とともに情報が古くなってしまう場合があります。例えば、法律や制度に関する内容は定期的に改正が行われるため、できるだけ最新の情報を反映させておく必要があります。
情報のアップデートが行われていなければ、E-E-A-Tにおける評価も下がってしまうので、定期的に見直し・更新の機会を作ってブラッシュアップを図りましょう。
内部対策9選
内部対策については、きちんとポイントをおさえておけば、比較的に短期での効果が期待しやすいのが特徴です。すぐに実行できるものも多いので、優先的にサイトの見直しを図ってみるとよいでしょう。
1.わかりやすいタイトルを設定する
まずは、Webサイトや各ページのタイトルに目を向け、検索エンジンに認識されやすいものに設定することが大切です。タイトルについては、ある程度意識すべきポイントが決まっており、Googleであれば「検索キーワードとの関連性が高いか」「30文字前後にまとめられているか」などが重要な要素となります。
また、検索したユーザーの興味を引きつけるためにも、端的でわかりやすいタイトルを心がけるのもポイントです。2.メタディスクリプションを工夫する
「メタディスクリプション」とは下記のように、そのページがどのような内容を記載しているのかを100字程度で説明した文章のことです。
検索結果の画面上では、各サイト名やページ名の下部に表示される短いテキストの部分を指しています。にあたります。
メタディスクリプションそのものは、検索エンジンの評価に与える影響が比較的に小さいとされていますが、画面表示されてからのクリック率は大きく左右します。
ユーザーが思わず内容を見たくなるようなテキストであれば、検索による流入が増えやすくなるので、優先的にこだわるべき部分といえるでしょう。3.重複コンテンツを避ける
複数のページで内容が重複していると、検索エンジンはどのページをインデックスすればよいかがわからなくなるため、評価が下がりやすくなってしまいます。SEOの観点ではある程度コンテンツの「量」にこだわることも重要ですが、重複する内容については、内部対策の観点から削除するほうが無難といえるでしょう。
4.最適化した画像を用いる
サイト内で使用する「画像の最適化」を図ることも重要な内部対策です。画像の最適化には、「画像検索によるユーザーを引き込みやすくなる」「検索エンジンでの評価が高まる」「ユーザーがコンテンツを最後まで読みやすくなる」といった効果があります。
具体的な取り組みとしては、「画像サイズを圧縮する」「画像サイトマップを用意する」「代替テキスト(altタグ)を設ける」などの施策が挙げられます。altタグとは、画像が何を示しているのかを伝えるためのHTMLコードのことです。
altタグが設定されていれば、検索エンジンのクローラーに画像の内容を伝えられるとともに、画像を見ることができないユーザーでも音声読み上げ機能で内容を把握できるというメリットが生まれます。5.内部リンクを適切に設定する
内部リンクとは、同じサイト内のページ同士をつなげるリンクのことです。適切な内部リンクが設定されていれば、ユーザーを気になったページへすぐに移行させることができるため、サイトの利便性が高まります。
そのため、関連性の高い内部リンクが適切に設定されていれば、それだけ検索エンジンからの評価も高まりやすくなるのです。内部リンクは自ら設定することができるため、検索エンジンが見つけやすいように配置するとともに、アンカーテキストにもキーワードを入れるとよいでしょう。6.ページの表示速度に注意する
検索エンジンの重要な評価基準として挙げられるのが、ページの表示速度です。ページの表示速度が遅い場合には、以下のような影響が出てしまう可能性があります。
【ページの表示速度の影響項目】
- ユーザーがページの閲覧にストレスを感じ、離脱率や直帰率が増加する
- 検索エンジンからの評価が下がってしまい、検索順位が低下する
- 売上やコンバージョンが減少する など
逆に、ユーザーが快適に情報を検索できる環境を整えれば、滞在時間やページビューが増加し、結果として検索順位を押し上げる効果を期待できるでしょう。ページの表示速度が遅ければ、ユーザーに不要なストレスを与えてしまうため、途中で離脱される可能性が高まります。
ページの表示速度は、Web上の無料ツールなどでも簡単に計測することが可能です。具体的な無料ツールとしては、Googleが提供している「PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)」やモバイルサイトの表示速度を計測するのに役立つ「Test my site(テストマイサイト)」などが挙げられます。
これらのツールを使ってページの計測を行い、表示速度が思わしくない場合は、画像の最適化やソースコードの軽量化を行い、できるだけ早く改善を図りましょう。7.エラー表示がないかをチェックする
内部対策では、SEO評価におけるマイナス要因を排除するという観点も重要です。エラーの種類によっては検索エンジンからの評価が下がる場合もあり、何よりユーザーの離脱を招く原因になり得ます。
エラーを解消するためには、まずどのようなエラーが起こっているのかを知る必要があります。代表的なエラーコードの例としては、以下のものが挙げられるでしょう。【代表的なエラーコード】
- 「404:Not Found」 ページが存在しない場合に表示されることが多い
- 「500:Internal Server Error」 サーバー側に何らかの異常が発生している
- 「503:Service Unavailable」 サーバーに負荷がかかり、ページが表示できない
何らかのエラーが起こっている場合、Webサーバーから上記のような3桁のステータスコードが表示されるので、それによってエラーの原因を把握することが可能です。
たとえば、「リダイレクトのエラー」が発生しているなら、リダイレクト設定を見直して不適切な要素がないかを確認する必要があります。
8.パンくずリストを設ける
「パンくずリスト」とは、ユーザーが「Webサイト上でどのカテゴリーのどのページを閲覧しているのか」をわかりやすく示したナビゲーションのことです。
(引用:総務省ホームページ)
上記は総務省のホームページですが、「総務省トップ」→「政策」→「国の行政制度・運営」→「公共サービス改革(市場化テスト)とは」の部分がパンくずリストに該当します。
またたとえば、Webサイト運用に関するコラム記事を配信するサイトなら、「TOP」→「コラムTOP」→「SEO(記事の大分類)」→「SEOの基本(記事の小分類)」「初心者向け!SEO対策とは(記事名)」のように、階層分けを行うことで、ユーザーが現在地を把握しやすくなります。
パンくずリストが設けられていれば、Webページの階層構造を明確にできるので、検索エンジンもクロールしやすくなります。そのため、ユーザーにとっての利便性が高まるだけでなく、検索エンジンからの評価の向上にもつながるのがメリットです。9.モバイル対応を最適化する
重要な内部対策の1つに、「レスポンシブデザイン」の実現が挙げられます。レスポンシブデザインとは、ユーザーのデバイスに応じて表示が最適化されるデザインのことです。
端的に言えば、「パソコンにもスマートフォン・タブレットにも対応できる画面サイズ」を実現することとも表現できます。レスポンシブデザインが実現されていれば、ユーザーにとっての利便性が高まるとともに、検索エンジンからの評価も向上すると考えられています。
外部対策3選
続いて、外部対策の具体的な取り組み方についても見ていきましょう。
1.被リンクを獲得する
先にも述べたように、外部対策では被リンクの獲得が基本の取り組みとなります。被リンクとは、外部のWebサイトにリンクを貼ってもらうことであり、検索エンジンでは量や質が評価の基準となります。
単にリンク数だけを増やそうとしても逆効果になる恐れがあるため、リンク先の質も意識することが大切です。たとえば、「購入したリンク」「隠しリンク」「関連性の低いサイトからのリンク」などは、評価を落とす原因にもなり得るので注意しましょう。2.サイテーションを獲得する
「サイテーション」とは、外部のWebサイトやSNSなどで、自社のサービスやブランドなどが話題になっている状態を指します。「業界メディアで自サイトが紹介されている」「レビューサイトに自サイトが掲載されている」といった状態のことであり、被リンクとは異なり、リンクを貼ってもらう必要はありません。
さまざまなメディアで取り上げられれば、認知度やブランド力が高まり、結果として自サイトへの流入数が増えます。そのため、サイテーションの獲得も広い意味ではSEO対策ということができます。3.SNSなどを活用する
SNSは拡散性が高いため、検索エンジンとは異なるユーザー層からの流入が期待できるのが魅力です。自社のコンテンツに魅力を感じたユーザーに、第三者としてサイトやページの拡散に協力してもらう効果も期待できるので、サイテーションと同じように広い意味での外部対策と考えられています。
SEO対策で事前に押さえておきたい4つの基本ポイント
SEO対策を効率的に進めるためには、取り組む前にいくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは、具体的な施策に取り掛かる前に意識すべきポイントを4つに分けて見ていきましょう。
POINT1 Webサイトのゴールを明確にする
端的に言えば、SEO対策は自社サイトをより多くのユーザーに見てもらうための取り組みです。そのうえで、実際にどのようなゴールを目指すべきなのかは、Webサイトの目的によって大きく異なります。
作成する目的が曖昧であれば、個々のSEO対策も非効率になりやすいため、最初の段階でゴールを明確化しておくことが大切です。POINT2 ペルソナを設定しておく
「ペルソナ」とは、自社が対象とする典型的な顧客像のことです。具体的には、下記のようなイメージとなります。
年齢や性別、年収、居住地、趣味、ライフスタイル、家族構成といったさまざまな項目を具体的に設定し、実在する人物のように描き出したイメージ像をペルソナといいます。
どのようなペルソナを想定するかによって、サイトが届けるべきコンテンツやメッセージは違ってきます。ユーザーのニーズに応えるには、ペルソナに対する深い理解が欠かせません。
SEO対策に取り組む前に、まずはペルソナについて丁寧に検討し、チーム内で認識の共有を行っておきましょう。POINT3 WebサイトのSSL化を行う
WebサイトのSSL化とは、ユーザーのやりとりを暗号化することを指します。通信が暗号化されたWebサイトは、URLが「http」から「https」に変わり、セキュリティ性が向上します。
セキュリティが高まれば、ユーザーにとっての有益性が高まると判断されるため、検索エンジンからの評価にも影響を与えるのです。WebサイトのSSL化はGoogleなども推奨しており、一度設定すれば完了する施策であるため、早い段階で済ませておくとよいでしょう。POINT4 検索エンジンの評価基準を理解する
SEO対策を効果的に進めるには、検索エンジンがどのような評価基準で判定しているのかを把握しておくことが重要です。Googleなどの検索エンジンでは、評価についてのガイドラインを公表しているので、あらかじめ目を通しておくとよいでしょう。
たとえば、先ほどご紹介した「E-E-A-T」も重要な評価基準の1つです。特に「YMYL(Your Money or Your Life)」と呼ばれる分野に関するコンテンツやサイトでは、「E-E-A-T」が重視されます。具体的には、医療や健康、保険、金融、高価な買い物、国民、政府、法律、人種・宗教といったジャンルのことです。
これらの分野は、生命や健康、安全、人生に与える影響が大きいことから、特に厳しい評価基準が適用されるので注意しましょう。YMYLについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
SEO対策に取り組む4つのメリット
SEO対策を重視するメリットについて、ここでは4つのポイントに分けてご紹介します。
①継続的な集客につながる
SEO対策のもっとも大きなメリットは、長期継続的な集客効果が得られる点にあります。しっかりと対策を行えば、ユーザーの自然検索による流入が増えるため、継続的に新たな顧客との接点を築くことができます。
Webサイトの知名度が高まれば、自社や自社が扱うブランドの認知度も高まるため、高いブランディング効果が得られます。特にコンテンツSEOに力を入れれば、発信するコンテンツによってユーザーとの信頼関係を構築できるため、高い集客効果が期待できるでしょう。②質の高いユーザーと接点が持てる
SEO対策が行われたサイトへの検索流入には、明確なニーズを持ったユーザーからのアクセスが多いのも特徴です。具体的にある商品について知りたい、日常に起こっている課題を解決したいと考えるユーザーが多く訪れるため、問い合わせや購入といったアクションにつながりやすいのがメリットです。
③集客コストを減らせる
Webでの集客方法にはさまざまなパターンがありますが、広く用いられている有料のWeb広告と比べると、SEO対策はあまりコストをかけずに取り組めるのが特徴です。もちろん、コンテンツの作成や管理には手間がかかり、外部へ協力を求める場合にはそれなりにコストもかかります。
しかし、広告のように継続的な料金が発生するわけではなく、一度作成したコンテンツは半永久的に資産として活用できます。そのため、トータルでみれば、デジタルマーケティングにおける集客コストを減らせるのが利点です。④地域に特化した展開もできる
SEO対策では、地域に特化した「ローカルSEO」に取り組むのも1つの方法です。ローカルSEOとは、特定の地域に集中して認知度を高めるための取り組みであり、地域密着型で運営するビジネスや店舗に適した施策です。
ローカルSEOに力を入れれば、たとえばユーザーが「地域名+商品・サービス名」で検索を行った際に、自社のサイトが検索上位に表示されるようになります。そのため、医院や工務店、飲食店のように商圏がある程度定まっているケースでは、効率的な集客につながります。
ローカルSEOを行ううえでは、Googleビジネスプロフィールを併用し、MEO(Map Engine Optimization)対策も並行して行うのが基本です。MEOに力を入れれば、Googleマップの利用時や地名入り検索キーワードでの検索時に、自社の情報が上位表示されるようになります。
SEO対策で気をつけておきたい3つのデメリット
これまで見てきたように、現代のデジタルマーケティングにおいて、SEO対策は特に重要な取り組みといえるでしょう。しかし、実施するうえで、いくつか注意しておきたいポイントもあります。ここではSEO対策における3つのデメリットをご紹介します。
①成果を得るまでに一定の時間がかかる
SEO対策の中には、すぐに成果が得られるものもありますが、基本的には中長期的な取り組みとなります。これまでご紹介した内部対策やSSL化は、比較的短期間で効果が得られやすいとされる一方、コンテンツSEO対策は効果が出るまでに時間がかかります。
一定のコンテンツがストックされるまで、じっくりと腰を据えて取り組む必要があるため、運営体制を丁寧に構築することが重要です。計画を立てる段階で、「コンテンツの作成はどのように行うのか」「管理は誰が担当するのか」「どのように予算や人的リソースを確保するのか」などを細かく決めておきましょう。②上位表示が難しいキーワードもある
キーワードによっては、コンテンツを作成しても上位表示が難しい場合もあります。特に検索回数が多く、抽象的で汎用性の高い「ビッグキーワード(検索数が月間ベースで1万回以上)」は、すでに複数のWebサイトが上位表示されており、いずれも強力なサイトばかりというケースもめずらしくありません。
自社のWebサイトを上位表示させるには、検索回数のみにとらわれてビッグキーワードばかり選ぶのではなく、着実に上位を狙えるキーワードを見極めることが大切です。具体的には業種や業界によっても異なりますが、月間ベースの検索数が1,000回に満たないスモールワードから狙っていくとよいでしょう。③アルゴリズムの変更などの影響を受ける
検索エンジンは、これまでも度々アルゴリズムの変更やアップデートを行ってきました。ときには評価基準に大きな変化が生まれることもあり、アップデートによって検索順位が影響を受けるケースもあるので注意が必要です。
ただし、検索エンジンの「ユーザーにとっての有益性を重視する」という基本スタンスは一貫しています。そのため、サイトの運営者側も、ユーザーファーストを意識したサイトやコンテンツの発信を心がけることが基本的な対策になるといえるでしょう。
SEO業者の選び方
自社のリソースが不足している場合や、ノウハウがない場合は、実績のあるSEO業者に依頼してみるのも有効です。SEO対策を専門に扱う会社であれば、内部対策・外部対策・コンテンツSEOを総合的に任せられるため、社内の人的リソースを消耗せずにSEO対策を実施できます。
ただし、SEO業者にはさまざまな種類があるため、自社に合った依頼先を見つけることが大切です。主な判断基準としては、「実績」「サポート内容・プラン」「費用」が挙げられます。
実績については、単に数字上の成果だけでなく、自社の業界や分野との関連性を踏まえて検討する必要があります。依頼先が得意とするジャンルとマッチしているかどうか、過去の取引先などの情報をもとにチェックしておきましょう。
サポート内容やプランについては、「コンテンツ制作だけでなくその後の管理まで担ってくれるのか」「Webマーケティングを幅広く任せられるのか」などがポイントです。依頼するサポート内容が広いほど費用も高額になるので、あらかじめどこまで任せたいのかを明確に決めておくとよいでしょう。
SEO対策に役立つ3つのツールを紹介
SEO対策を進めるうえでは、データの活用が成功を左右するポイントとなります。効率的にデータ収集を行い、精度の高い分析を進めることによって、施策の効果を最大限まで高められるようになります。
ここでは、SEO対策に役立つツールのなかから、無料で利用可能なものを3つピックアップして見ていきましょう。
Googleサーチコンソール
「Googleサーチコンソール」は、Googleの検索結果でWebサイトがどのように評価されているのかをチェックできる無料ツールです。主に、次のような場面で役立てられます。
【Googleサーチコンソールでできること】
- 検索キーワードの表示回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位がわかる
- ページ内で起こっているSEO上の問題点を分析できる
- 被リンクの内容についてチェックできる
- セキュリティの問題点を確認できる
いずれもSEO上の評価に直結するデータとなるため、積極的に活用していくのが望ましいといえます。
Googleアナリティクス
「Googleアナリティクス」は、Webサイトのデータを収集して、ビジネスに関する分析情報を提供するレポートを作成する無料ツールです。Googleサーチコンソールは、ユーザーが自社サイトを訪れる前段階の要素を診断するのに対し、Googleアナリティクスはサイトを訪問してからのデータを収集できる点に特徴があります。
【Googleアナリティクスでできること】
- サイトを閲覧しているユーザーの情報(属性)をチェックできる
- ユーザーがどのような経路でサイトにたどり着いたのかがわかる
- サイト内でのユーザーの動きを調べられる
どのようなユーザーにどのような経路で届いているのかがわかるため、ペルソナの設計や広告戦略の策定などに活用することができます。また、離脱率や直帰率、平均滞在時間などのデータからは、ユーザーがサイト内でどのように行動しているのかを調べることが可能です。
このように、Googleアナリティクスでは、サイト全体のクオリティを高めるうえで有益なデータをさまざまな角度から得られるのがメリットです。ラッコキーワード
「ラッコキーワード」は、無料で利用可能なキーワードリサーチツールです。主な機能としては、キーワードに関連した用語を提案してもらえる「サジェストキーワード」が挙げられます。
ほかにも、「競合調査」や「マーケット調査」「AIによる提案」といった機能が搭載されており、短時間でキーワードのリサーチに必要な情報を収集してくれるので、コンテンツ制作に役立てられます。
SEO対策で注目されているトレンド
SEO対策に関する技術やトレンドは、年々進化を続けています。最後に、2024年時点におけるSEO対策のトレンドをチェックしておきましょう。
動画コンテンツの需要の高まり
動画コンテンツに対するニーズは年々高まっており、Webサイトにおいてもうまく取り入れていく必要があります。動画は検索結果のページで視覚的に目立ちやすく、Googleなどではキーワード検索の結果として、関連性の高い動画を上部に表示することも増えています。
また、比較的にユーザーの滞在時間が長くなる傾向があり、検索エンジンの評価向上につながるのも特徴です。自社の商品・サービスに合った動画コンテンツを制作できれば、SEOの施策を優位に進めやすくなるでしょう。
VSOへの対応
「VSO」とは音声検索最適化のことであり、音声検索のSEOと表現される場合もあります。VSOに力を入れることで、スマートスピーカーなどで検索されたときの結果に、自サイトが表示されやすくなる効果があります。
音声検索のアルゴリズムは、通常の検索アルゴリズムと類似しているため、VSOも通常のSEO対策と同じように進めていくのが基本です。そのうえで、特に「ページの読み込み速度を改善する」ことが重要とされています。
生成AIの影響
生成AIツールの登場により、コンテンツ制作のあり方も大きく変わっていくと考えられています。生成AIを活用すれば、短時間で効率的にコンテンツを量産することも可能です。
ただし、コンテンツの質を保つうえでは、使い方に注意する必要があります。Googleが公表している「AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス」によれば、作成手段よりも品質を重視すると明示されています。
高品質であるかどうかが判断基準である点は、生成AIが登場しても変更されていません。そのため、たとえば生成されたテキストをそのまま張り付けて作成したコンテンツなどはペナルティの対象となり、評価を大きく下げてしまう恐れがあります。
コンテンツの作成時には、ユーザーに正しい情報を適切な形で届けられるように細心の注意を払いましょう。
まとめ
SEO対策は、Webサイトを運営するうえで基本となる取り組みです。SEO対策にしっかりと力を入れれば、キーワード検索による自然流入が増えるため、長期的な集客効果が見込めます。
また、SEOを進めるなかでは自然とサイト全体や各コンテンツの品質も向上させる必要があるため、信頼性やブランド力の構築にもつながります。まずはSEOの基本的な目的と流れを理解して、Webサイトの運用戦略を見直してみましょう。
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