リスティング広告とは?主な仕組みや費用感、効果的な運用方法などを詳しく解説
Web広告にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。なかでも代表的な手法として挙げられるのが、検索キーワードに連動して表示される「リスティング広告」です。
現在の情報化社会においては、多くのユーザーがキーワード検索による情報収集を行っていることから、高い効果を期待できる広告手法とされています。また、近年のリスティング広告においてはAIによる機械学習が積極的に取り入れられており、手間をかけずに広告の作成や配信、入札などの作業を自動化することも可能です。
今回はリスティング広告の仕組みや特徴、費用の仕組み、運用のポイントなどをまとめてご紹介します。
リスティング広告とは
「リスティング広告」とは、検索エンジンの検索結果画面に表示される広告のことです。
ユーザーが検索したキーワードをもとに、関連性の高さに応じて広告が表示される仕組みのため、「検索連動型広告」とも呼ばれています。
リスティング広告の基本的な特徴として挙げられるのが、「相性のよいユーザーに狙いを定めて広告を打てる」という点です。ユーザーが検索するキーワードは、「知りたい」「悩みや課題を解消したい」といった具体的なニーズに関連するケースが多いと考えられます。
そこに連動して、関連性のある広告を打ち出せるため、不特定多数をターゲットにするよりも高い広告効果を期待できるのが魅力です。
出稿先の媒体の種類
リスティング広告の主な出稿先としては、「Google広告」や「Yahoo!広告」、「Microsoft広告」などが挙げられます。いずれもキーワードに連動して、画面のトップに広告が掲載される点は共通していますが、細かな仕様には違いがあります。
それぞれの特徴については後ほど詳しくご紹介しますが、料金の仕組みやターゲティングの方法などが異なるので、自社の広告と相性がよい媒体を選ぶのがポイントです。
広告掲載のされ方
リスティング広告は、下記の6つで構成されています。
- ビジネスロゴ
- ビジネス名
- タイトル
- リンク先のURL
- 説明文
- 追加のアセット
追加のアセットとは、タイトルを補足するような小見出しの役割を果たす要素であり、条件によって表示の有無が異なります。
これらの要素のなかでも、特に重要となるのがタイトルです。広告文で使用できる文字や文字数、記号には制限があるので、事前に確認しておくことが大切です。
また、「最安値」「日本一」「世界初」といった最上級の表現を用いることは、客観的な裏付けが行われていない場合、「不当景品類及び不当表示防止法」や「不正競争防止法」に抵触する恐れがあるので注意しましょう。
リスティング広告とSEOの4つの違い
リスティング広告とともに、Webマーケティングの代表的な手法として挙げられるのが「SEO(Search Engine Optimization)」です。SEOとは、検索エンジンからの評価を高めて、キーワード検索をされたときに自らのサイトが上位表示されるようにする一連の施策のことです。
インターネットのユーザーが特定のサイトやページにたどり着く経路には、さまざまなパターンが考えられます。そのなかでも、特に多いのはキーワード検索によるアクセスです。
そのため、SEO対策を行うことは、Webサイトを運用するうえで基本中の基本と考えられています。ここでは、SEOとリスティング広告の違いについて、4つのポイントから見ていきましょう。
クリック率(CTR)
クリック率とは、情報が画面に表示されたときに、どのくらいの割合でクリックされているのかを示した数値のことです。国内におけるリスティング広告の平均的なクリック率は「5~10%程度」とされており、SEOと比べると低い傾向があります。
これは、リスティング広告が明確に広告として表示されるため、ユーザーの心理としてクリックを避けてしまうことが原因と考えられます。一方、SEOによって上位表示される記事は、純粋に検索エンジンから高く評価されていると判断できるため、信頼性や利便性の点でユーザーからも評価されやすいといえるでしょう。
即効性
施策を実行してから効果が出るまでの「即効性の高さ」では、リスティング広告のほうがはるかに優れています。SEOの場合は、取り組み始めてから検索上位に表示されるまでにさまざまな工夫が必要であり、効果が出るまで約3~6ヶ月程度の時間がかかるのが一般的です。
また、取り組みを続けたからといって、必ずしも上位に表示されるようになるとは限りません。それに対して、リスティング広告は最短即日で広告の配信をスタートすることが可能であり、少ない労力で検索結果画面に表示させられます。
そのため、「期間限定のキャンペーン情報をすぐに届けたい」「とにかく効率的に認知度を高めたい」といった場合には、SEOよりも適した手法といえます。
費用
リスティング広告を掲載するには、利用状況に応じた広告料金がかかります。広告予算は自分で決められるものの、キーワードによっては単価が高額になることもあるため、細かな費用対効果のチェックが求められます。
一方、SEOは広告ではないため、上位表示されるにあたって特に費用は発生しません。ただし、検索エンジンからの評価を高めるためには、さまざまな施策を実行する必要があります。
具体的には、コンテンツの制作やSEO対策などに多くの労力を必要とするために、社内の人的リソースを大きく消費するとともに、社内の負担を減らそうとすれば外注費用がかかるケースもあるでしょう。そのため、両者の費用を比較するには、長期的な効果とトータルコストをできるだけ正確に算出して見比べることが大切です。
リンク先の指定
リスティング広告では、リンク先のURLをあらかじめ指定することができます。どのページを掲載したいのかを自身で設定できるため、さまざまなページを表示させてABテストを行い、もっとも効果が高いもので固定するといった使い方も可能です。
一方、SEOでも検索上位を狙うことは可能ですが、結果は検索エンジンからの評価に委ねられるため、どのページを掲載するかを指定することはできません。自身でコントロールができないので、たとえばランディングページなどをピンポイントで表示させたいのであれば、リスティング広告のほうが確実性は高いといえます。
リスティング広告で狙えるターゲット
Webマーケティングの施策を打ち出すには、ターゲットを意識した戦略を立てることが大切です。手法によって適したターゲットは異なるので、リスティング広告がどのような場合に適しているのかを的確に把握しておきましょう。
リスティング広告は「顕在層」向け
リスティング広告は、基本的に見込み客となり得る「顕在層」がターゲットとなります。顕在層とはすでに明確なニーズを持っており、自社の商品・サービスに関連するジャンルに関心を持っている顧客層のことです。
顕在層は自分が何を求めているのか、何を知りたいのかを明確にしているため、キーワード検索で情報収集を行うケースも多いと考えられます。そのため、キーワードと連動して表示されるリスティング広告とは相性がよいのです。
「潜在層」も狙うならSEO
すでにニーズが明確になっている顕在層に対して、まだ明らかなニーズは定まっていないものの、特定のジャンルに興味を持っているユーザーのことを「潜在層」といいます。マーケティングにおいては、潜在層の顧客をどのように取り込むかが、売上を伸ばすうえで重要な課題です。
潜在層へのアプローチも狙うのであれば、リスティング広告よりもSEO対策に力を入れるほうが望ましいといえます。なぜなら、まだニーズが顕在化していない潜在層は、特定のジャンルについてランダムにさまざまなキーワードで検索行動を行うためです。
SEO対策では、さまざまなキーワードを想定してコンテンツを作成していくのが基本となるため、潜在層の検索行動とのマッチ度が高いといえるでしょう。また、SEOによってサイトやページが上位表示されれば、顕在層向けのキーワード検索でもヒットされるという効果があります。
リスティング広告に比べると、大きな時間と労力を費やしてしまうという難点はありますが、中長期的な集客を考えるのであればSEOにも力を入れておくことが大切です。
リスティング広告に取り組む5つのメリット
リスティング広告のメリットについて、ここでは5つのポイントに分けて整理してみましょう。
①顕在層に直接アプローチができる
これまで見てきたように、リスティング広告はニーズの高い顕在層に直接アプローチできるのがメリットです。顕在層は、一般の顧客層と比べて商品購入やサービス利用の可能性が高い重要なターゲット層となります。
リスティング広告を活用すれば、顕在層を取りこぼさずにアプローチできるため、短期的な成果の獲得につなげやすくなります。つまり、リスティング広告経由のユーザーは、比較的に成約率が高いということです。②少ない予算から始められる
広告を運用するにはコストがかかりますが、リスティング広告は比較的に少ない予算から出稿できるのが特徴です。基本的にリスティング広告は、ユーザーのクリックに応じて費用が発生するクリック課金制であるため、単に表示されるだけでは料金がかかりません。
また、最低金額も特に設定されていないため、極端に言えば1,000円単位での小さな出稿も可能です。新聞広告や交通広告などの場合は、掲載するだけで大きな費用が発生してしまうこともあるため、どうしても中小企業や個人事業主などでは活用が難しい面もあるでしょう。
リスティング広告であれば、キーワードをきちんと選定することで、小さな予算で大きな広告効果を狙える可能性があります。③最短即日でスタートできる
リスティング広告のもう1つのメリットは、スピーディな広告掲載が行えるという点にあります。専用の管理画面が用意されているので、案内に従って必要事項を入力すれば、簡単に広告掲載をスタートできます。
一般の広告媒体では、原稿チェックや細かな条件交渉などのステップが必要であり、紙媒体であれば印刷までのタイムラグも気にかけなければなりません。リスティング広告は配信までのタイムラグも少なく、最短即日で広告を配信することも可能であるため、「掲載したい」と思ったときに実行できる手軽さが大きな魅力です。④細かなターゲティングが行える
リスティング広告では、アプローチしたいターゲット層を細かく設定することができます。細かな仕様は検索エンジンによっても異なりますが、広告表示するユーザーの属性について、次のようなポイントから絞り込むことが可能です。
【リスティング広告で設定可能なターゲティング】
- 対象ユーザーの地域
- 検索される曜日・時間帯
- 検索に用いるデバイス
- ユーザーの年齢・性別、世帯収入
- リターゲティングによるターゲット設定
「リターゲティング」とは、一度自社のサイトを訪れたユーザーを追跡し、広告を表示するターゲティングのことです。過去にサイトを訪れたという点から、ある程度の見込みがあるユーザーとして判断できるため、広告効果を高めるうえでは重要なポイントとなります。
リスティング広告の費用は、クリック数に応じた課金制であるため、ターゲットを細かく絞り込むことはコストパフォーマンスの向上につながります。たとえば、住宅の施工やマッサージなどの分野であれば、対象地域を絞り込むほうが集客にはつなげやすいといえるでしょう。
また、化粧品やアウトドア・スポーツ用品のように、性別によって需要に偏りが生まれるジャンルも、ターゲット設定を細かく行うほうが費用対効果は高まります。⑤リアルタイムで配信状況の確認が行える
リスティング広告の配信状況は、管理画面からいつでもチェックすることができます。リアルタイムで状況が把握できるため、広告を出しても思うような効果が得られていない場合は、「配信を一時停止して広告内容を改善する」といった判断も可能です。
紙媒体の広告などでは、一度出稿してしまえば内容を変更することはできないため、入稿前に細かなチェックを行わなければなりません。一方、リスティング広告はすぐに改善策に取り組めるため、効果を確かめながらブラッシュアップしていくこともできます。
リアルタイムでの改善が可能であるため、ロスを最小限にとどめて、高い費用対効果を実現できるのも重要なメリットです。
リスティング広告で気をつけたい3つのデメリット
優れた利便性を持つリスティング広告ですが、利用するうえではいくつか注意しておきたいポイントもあります。ここでは、リスティング広告のデメリットを3つに分けてご紹介します。
①競合他社の動向をチェックする必要がある
これまで見てきたように、リスティング広告は誰でも手軽に打ち出せる利便性が魅力である反面、競合他社との競争が激しくなりやすいというデメリットも持っています。特定のキーワードを検索すれば、競合他社がどのような広告を打っているかがすぐにわかるため、後から参入されるリスクは高いといえるでしょう。
自社の広告文を参考にされたり、比較優位に立てるような広告を後出しされてしまったりすることもあるので、どうしても競争が激しくなりやすいのです。リスティング広告では、入札金額によって掲載順位も影響されるため、競争が激しくなればそれだけ費用もかさんでしまいます。
特に人気のあるキーワードでは、競争が激化して広告効果が薄れてしまう恐れもあるので、キーワードの選定は戦略的に行うことが大切です。②広告に慣れているユーザーからはクリックされづらい
普段インターネットでキーワード検索を行うユーザーからすれば、リスティング広告は表示されるエリアが固定されるため、見慣れてしまうというケースも多いです。単純な知的好奇心でキーワード検索を行うユーザーには、広告を避けたいという心理が生まれるため、無意識のうちにリスティング広告の表示エリアを飛ばしてしまうケースも少なくありません。
そのため、特にニーズが明確化していない潜在層に対しては、あまり大きな効果が見込めないのがデメリットといえます。③ビジュアル面での訴求が行えない
リスティング広告はテキストが中心となるため、ビジュアルで視覚的に訴求するのは難しい面があります。ビジュアル面に魅力がある商品を打ち出したり、写真を用いたブランディングを望んだりする場合には、表現の幅が狭まってしまうのがデメリットです。
広告に画像を用いたいときは、「バナー広告」を検討してみるのがおすすめです。バナー広告であれば、写真や動画を用いて視覚的にアプローチできるため、ビジュアル面での魅力もユーザーに届けられます。
リスティング広告にかかる費用
リスティング広告を活用するうえでは、費用の仕組みについて正しく理解しておく必要があります。ここでは、基本的な料金体系について見ていきましょう。
「クリック課金制」が基本となる
リスティング広告では、基本的に「クリック課金制」が採用されています。クリック課金制とは、ユーザーに広告をクリックされることで、はじめて費用が発生する仕組みのことです。
それに対して、広告を掲載する時点で費用が発生するものを「掲載課金制」と呼びます。掲載課金制と比べると、クリック課金制はユーザーの具体的なアクションがなければコストが発生しないため、高い費用対効果を狙えるのが強みです。
掲載方式は「オークション方式」
リスティング広告では、1クリックあたりの単価が一律で定められているわけではありません。業界や時期、媒体などによって相場は異なりますが、利用者側で自由に設定することができます。
ただし、あまりにも低い金額で設定すると、広告が表示されなくなってしまう恐れもあるので注意が必要です。なぜなら、リスティング広告の掲載方式はオークション形式となっているためです。
広告の掲載順位は、ユーザーが検索したキーワードやサイトとの関連性、入札価格(1クリックあたりの単価)、後述する「広告ランク」などによって決められます。人気のあるキーワードは、それだけ競争相手も多くなるため、入札価格が低ければ広告が掲載されにくくなってしまいます。
しかし、近年のリスティング広告においては、AIによる機械学習が主流となっており、自動的に入札額を決めてくれる機能が備わっているのが特徴です。たとえば、Google広告ではキーワードに対するコンバージョン数や入札単価をAIが自動で調整してくれる「スマート自動入札」という便利な機能があります。
ターゲットとするユーザーの属性情報や検索されたキーワードなどのデータを基に学習・分析を行って最適化してくれるため、人の手で設定を行うよりも高い広告効果が期待できるでしょう。加えて、設定した予算などの条件に基づき、AIが広告作成や配信作業を自動で行ってくれる「スマート広告」といった機能も備わっています。
機械学習によって、最適化された広告を自動配信できるため、積極的に活用してみましょう。
予算は1日単位で設定ができる
予算の設定は、1日単位や月間単位などで自由に行うことができます。たとえば、「1月あたり30万円」と決めておき、クリック数による料金が30万円に達したら一時停止するといった使い方が可能です。
一度設定した予算は後から変えられるので、状況を見ながら調整が行えます。1クリックあたりにかかる費用は状況に応じて異なるので、相場を踏まえたうえで予算設定を行うとよいでしょう。
リスティング広告の費用を抑えるための3つのポイント
リスティング広告はどのように利用するかによって、費用対効果が大きく変動する性質があります。ここでは、費用を抑えて効率的に運用するためのポイントを3点に分けてご紹介します。
①配信先や時間帯を見直す
費用対効果を高めるうえでは、広告の配信先やエリア、ターゲット、時間帯のターゲティングを細かく行うことが大切です。たとえば、メインとなるターゲット層が一般的な給与所得者である場合は、平日よりも休日、日中よりも夕方以降のほうが内容を細かくチェックしてもらえる可能性は高くなります。
また、地域密着型のサービスを取り扱う場合は、当然ながら配信対象地域も自社の商圏内に絞り込む必要があります。そのうえで、正確なターゲティングを行うには、過去のアクセス状況などのデータを細かく分析するのがコツです。
あまり広告を見られていない時間帯や、商圏内であってもあまり成果につながらないエリアがあれば、対象から外すなどの調整を行うとよいでしょう。②出稿するキーワードを厳選する
出稿するキーワードの選定は、リスティング広告において特に重要なポイントとなります。前述のように、競合性の高いキーワードは入札価格が高くなるため、予算を抑えるうえではできるだけ回避するのが望ましいです。
特に小規模な事業者や個人事業主がリスティング広告に取り組むうえでは、「ロングテールキーワード」に注目するのが効果的です。ロングテールキーワードはニッチキーワードやスモールキーワードとも呼ばれ、検索ボリュームが小さく、比較的に競合性が低いキーワードを指します。
基本的には3つ以上の語句で形成され、汎用性よりもニッチなニーズを満たすのが特徴であり、小さなコストで上位表示を目指せるのが特徴です。また、ユーザーのシャープな検索意図に合った内容となるため、商品購入やサービス利用といったコンバージョンにつなげやすいのもメリットです。
リスティング広告においても、ロングテールキーワードを意識することで、コンバージョンにつながりやすい良質なクリックを集めやすくなります。③広告の品質を向上させる
リスティング広告の掲載順位は、「広告ランク」によって決められます。広告ランクとは、クリック単価や広告の品質、広告表示オプション、広告フォーマットによって定められる順位であり、ランクが高いほど上位表示される可能性が高くなります。
ランクを決めるうえでは、クリック単価も決め手にはなりますが、それと同じくらいに広告の品質も重要な要素です。つまり、広告の品質を高めれば、結果的に広告費の削減につながるということです。
リスティング広告を出稿するまでの5つのステップ
リスティング広告は、一般的な広告手法と比べると、シンプルな手順で出稿できるのも特徴です。ここでは、5つのステップに分けて、広告出稿までの手順を見ていきましょう。
1.アカウントを開設する
リスティング広告を出稿するには、まず広告媒体のアカウントを作成する必要があります。GoogleやYahoo!、Microsoftなどのアカウントは、法人でも作成可能です。
たとえば、Google広告でアカウントを作成するには、まず「スマートモード」と「エキスパートモード」のどちらかを選びます。スマートモードは広告運用の経験がない人向けのものであり、キャンペーンの作成や管理などを簡単に行える仕様となっています。
AIが自動で広告を最適化してくれるので、広告作成やキーワードの選定、予算の設定などにかける手間が少なく、手軽に始められるのが特徴です。一方、エキスパートモードはすべてを自分で設定することが可能であり、キーワードや入札単価などの設定を細かく行えます。
最初にスマートモードを選んでも、後からエキスパートモードに変更することは可能です。ただし、一度切り替えてしまうとスマートモードに戻せないため、広告運用の経験などを踏まえて慎重に判断してみましょう。
Google広告のアカウントは、すでにGoogleのアカウントがある場合はログインをするか、新しくGoogleアカウントを作成すれば利用可能になります。2.アカウントの設計を行う
続いて、キャンペーンの作成や広告グループの設定などを行います。キャンペーンとは広告やキーワードを管理する大きな単位のことであり、商品・サービスのカテゴリごとに作成するのが一般的です。
各キャンペーンには、具体的な広告内容、キーワード、入札単価などを設定した広告グループがあり、グループごとに運用方針を決めていくのが基本となります。配信するエリアや1日あたりの予算、入札単価、配信開始日と終了日などを入力して、配信条件の設定も可能です。3.広告を入稿して審査を受ける
配信条件の設定が済んだら、次に広告文を作成します。タイトル、リンク先のURL、説明文を作成し、保存をするとそのまま審査に進みます。
リスティング広告では、テキストのみでユーザーの興味を引きつける必要があるため、細かな表現にもしっかりとこだわることが重要です。審査は早ければ5分程度で終わり、長い場合でも1営業日以内には完了します。4.広告費用を支払う
前払い方式の場合は、広告が掲載される前に広告費用を決済する必要があります。アカウント残高がゼロになると、広告の配信が自動停止されてしまうので、見落としが無いようにチェックしましょう。
5.広告の配信を開始する
審査が完了し、入金した広告費用がアカウントに反映されると、広告の配信がスタートします。スムーズに進めば、アカウントの開設から掲載までをその日のうちに行えますが、リスティング広告では配信してからのプロセスが重要となります。
効果的に運用するには、広告の成果をデータで確認しながら、必要に応じて改善を重ねていくPDCAサイクルが欠かせません。そのため、配信後の効果測定とデータ分析の時間も確保しておきましょう。
Google広告とYahoo!広告、Microsoft広告の違い
広告を出稿するうえでは、媒体ごとの特徴を把握して、自社の目的に合ったものを選ぶことも大切です。ここでは、Google広告とYahoo!広告、Microsoft広告の違いとして、それぞれの特徴と利用に適したケースをご紹介します。
Google広告の特徴と検索パートナー
Googleは検索エンジンとして高いシェア率を誇り、利用者数の多さが特徴です。広告に関する機能やサポート面も充実しており、初めて利用する場合でも使いやすいといえるでしょう。
また、「広告掲載までの審査期間が短い」「自動入札機能やスマートキャンペーンなどの機能があって運用しやすい」といったメリットもあります。
そして検索パートナーとは、検索エンジン機能を持つポータルサイトなどのうち、提携している相手のことです。なお、Google広告の検索パートナーとして、「goo」、「@nifty」、「BIGLOBE」、「AU one」、「ライブドア」などが挙げられます。
Google広告に出稿すれば、上記のサイトにも配信先が広がります。
Google広告がおすすめのケース
Google広告は他のデジタル広告のサービスと比べて、大きなシェアを持っているため、多くのユーザーに情報発信できるのが強みだといえます。また、少ない予算から始められる点や、スマートモードなどの広告配信・運用を手軽に行える機能が備わっているため、初めてWeb広告に取り組む場合も挑戦しやすい媒体だといえるでしょう。
Yahoo!広告の特徴と検索パートナー
Yahoo!広告は、Yahoo!JAPANの検索結果に広告を表示できるのが特徴です。Yahoo!ニュースやヤフオク!など、さまざまな関連サービスにも広告を出稿できます。
また、Yahoo!広告に出稿すると、コミュニケーションアプリであるLINEにも広告が表示される点が大きなメリットだといえるでしょう。LINEの月間アクティブユーザー数は約9,700万人(2024年3月現在)となっているので、大きな効果が期待できます。
Yahoo!とLINEは、2023年10月1日に経営統合が行われ、それぞれのユーザーに関するデータが連携されました。そのため、Yahoo!広告の配信においても、LINEユーザーのデータを活用することが可能となり、広告効果をアップできることが期待できます。
LINEの他にもYahoo!の検索パートナーには、「Live Search」、「日経ネット」、「フレッシュアイ」、「エキサイト」、「オールアバウト」などが挙げられ、これらの検索エンジンにも広告が表示されます。
Yahoo!広告がおすすめのケース
Yahoo!広告は、Google広告やMicrosoft広告を補完する役割として利用されるケースが多いといえます。Yahoo!広告単体では効果を見込みにくいので、検索ユーザーの顕在層を逃さないために、補完的に利用してみましょう。
Microsoft広告の特徴と検索パートナー
Microsoft広告は、国内で2022年から配信が始まった比較的に新しい媒体といえます。Microsoftの各種広告枠に配信することができ、リスティング広告の場合はBingの検索結果に表示されます。
Windowsを搭載したパソコンでは、Bingがデフォルトブラウザの検索エンジンとなっているため、特にビジネスでの利用ユーザーが多いのが特徴です。また、広告オプションの種類が豊富であり、カスタマイズ性が高いのも魅力といえます。
また、Microsoft広告は比較的、競合が少ない状態にあります。入札額を低く抑えながらも、検索ユーザーの顕在層を取れる可能性が高いので、前向きに導入を検討してみましょう。
Microsoft広告がおすすめのケース
Microsoft広告はBtoBの商品・サービスに適しているといえます。Windows10以降はデフォルトのブラウザがBingになっていることもあり,WordやExcelなどをビジネスで用いるケースも多いことから、企業からの信頼を得やすいのがMicrosoftの強みです。
セキュリティの観点から、社内ルールでブラウザをMicrosoft Edge、検索エンジンをBingに指定されるケースも多いため、BtoB企業とは相性がよい広告媒体といえるでしょう。
リスティング広告を効果的に運用するための4つのポイント
今回ご紹介したように、リスティング広告は手軽に配信できるのが魅力であり、少ない予算でも運用可能です。しかし、具体的な成果につなげるためには、単に広告を出すだけでなく、戦略的な取り組みが求められます。
最後に、リスティング広告の効果を高めるためのポイントを確認しておきましょう。
1.広告を出稿する目的を定める
リスティング広告はクリック課金制であるため、少なくともユーザーを自社のサイトに誘導することは可能です。そのため、「予算を使ったのにまったく効果が得られなかった」という事態には陥らないといえるでしょう。
しかし、あくまでもページやサイトへの誘導がゴールであり、そこから先の具体的なコンバージョンが約束されているわけではありません。
したがって、運用後は実際にどのくらい売上の向上に貢献しているのか、定期的に費用対効果を測定しながら戦略を見直すことが重要です。そして、効果測定を行うために必要となるのが、KPIのような形で数値化された目標です。
過去のデータを振り返りながら、「どのくらいのアクセス増を目指すのか」「どのくらいのコンバージョン率が見込めるのか」を丁寧に分析し、広告出稿の具体的なゴールを設定しましょう。
また、リスティング広告における重要な要素としてキーワードが挙げられます。キーワードは大きく分けて、「一般キーワード」と「指名キーワード」の2つがあります。
一般キーワードとは、いわゆる一般名詞にあたるもので、たとえば家電製品でいえば「電子レンジ」「掃除機」などが該当するといえるでしょう。電子レンジや掃除機は、特定の企業が独占しているものではなく、商標登録された製品でもないため、一般キーワードとして取り扱われます。
一方、指名キーワードとは固有の商品名・サービス名・社名・ブランド名などの固有名詞を表わす言葉です。指名キーワードは一般キーワードと比べるとコンバージョン率が高い傾向があり、広告のクリック率との関連度も高いといえます。
リスティング広告の出稿を考える際は、一般キーワードと指名キーワードのバランスについても、しっかりと検討しておきましょう。なぜなら、一般キーワードで最初は検索をしたユーザーが比較・検討を行ったうえで指名キーワードで検索し、コンバージョンに至るというケースは多いからです。
比較検討層を狙うのならば一般キーワード、顕在層を狙うのであれば指名キーワードといった使い分けができます。それぞれのタイプのキーワードをバランスよく調整することで、広告効果を高められるはずです。2.市場や競合他社の動向をリサーチする
効果的な広告を打ち出すには、市場や競合他社の動きをつかんでおくことも大切です。リスティング広告では、キーワードの選定が特に重要なポイントとなるため、どのようなキーワードで検索されているのかを丁寧にリサーチする必要があります。
また、選定するキーワードについては、競合他社の広告内容もチェックしておきたいところです。たとえば、他社が「送料無料」としているのに対し、自社が類似の商品で「送料半額」としたところで、広告としてはどうしても見劣りしてしまいます。
広告の内容や表現については、ユーザーから他社と比較される可能性を想定して、十分に推敲を重ねることが重要です。3.広告ランクを高める工夫をする
先にも述べたように、リスティング広告では広告ランクを高めるほど、掲載順位が決定する際に有利に働くことになります。広告ランクはさまざまな要素によって決まりますが、たとえばGoogleでは次のような項目に基づいて算出されています。
【広告ランクに影響を与える要素】
- 広告の関連性
- 推定クリック率
- ランディングページの利便性 など
出稿した広告がどのように評価されているかは、広告アカウントにログインをして「品質スコア」という項目をチェックすることで確認できます。推定クリック率、ランディングページの利便性、広告の関連性などが10段階で評価され、基本的には広告・ランディングページとユーザーの関連性が高いほどスコアが高くなります。
品質スコアを向上させるには、以下の点に着目するのがポイントです。【品質スコアを向上させるためのポイント】
- 広告にキーワードを含める
- ユーザーのクリックを促すような魅力のある広告文を作成する
- ユーザーにとって見やすく、使いやすいランディングページの構成を考える
4.配信状況を分析して素早く改善する
リスティング広告では、最初から完ぺきな広告を作成するというよりも、ユーザーの反応を見ながら改善を重ねていくほうが効果を高めやすいといえます。情報の更新は容易であり、データもリアルタイムで取得できるので、PDCAサイクルをどれだけ有効に回せるかが成功を左右するといっても過言ではありません。
思うような効果が得られなければ、柔軟に広告文やランディングページを改善し、ユーザーの反応を探ってみましょう。また、コンバージョンにつながらないクリックを分析し、関連が低そうなものは除外キーワードに設定するといった工夫も有効です。
まとめ
リスティング広告は即効性の高さに大きな強みがあります。スムーズに手続きが進めば、出稿から配信まで最短即日で行え、その日のうちにキーワード検索結果の上位に自社の広告を表示させることも可能です。
また、クリック課金制となっているため、掲載課金型の広告と比べると費用対効果を高めやすいのも魅力といえます。近年では、AIによる機械学習がリスティング広告では広く活用されており、広告作成や配信、入札といった作業を自動化することも可能です。
広告の出稿に関する手間を省力化して取り組むことができるので、初めてリスティング広告に取り組む際のハードルは以前よりも低くなっています。リスティング広告の仕組みと運用のポイントをおさえて、自社に合った使い方を探ってみましょう。
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