広告代理店を選ぶときに知っておくべき10のチェックポイント
「自社商品・サービスの問い合わせ数・購入者数を増やしたい」「自社ECサイトの会員数を増やしたい」といったときに有効な手段のひとつがリスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告をはじめとする「Web広告」。Web広告を制作・運用するには専門的な知識が求められるため、導入を検討するときには多くの事業者や企業が広告代理店に依頼をしています。しかし、広告代理店を選ぶ際には、多くの選択肢と情報があふれているため、最適なパートナーを見つけることが難しく感じられるかもしれません。
そこで、本記事では広告代理店を選定する際に考慮すべき重要なポイントや評価基準について詳しく解説します。
広告代理店の役割と種類
そもそも、広告代理店の役割とは?
広告代理店の役割は、「企業のマーケティング戦略を効果的に実施し、ターゲットとなる顧客層にアプローチすること」です。広告代理店は、企業のブランド認知度を高めたり、商品やサービスの売上を向上させるためのさまざまな広告キャンペーンを企画・運用を行っています。具体的な対応領域としては、広告の企画立案やメディアバイイング(広告枠の購入)、画像や動画、テキストなどのクリエイティブ制作、Web広告の運用、データ分析、そして改善策の検討・実施などが含まれます。
広告代理店の種類
広告代理店には大きく分けて「フルサービス型」と「専門特化型」の2種類があります。フルサービス型広告代理店は、広告戦略の策定からクリエイティブ制作、メディアバイイング、広告運用、効果測定・改善まで、広告に関するすべての業務を一手に引き受けることができます。これにより、一貫した広告戦略を実行できる点がメリットです。
一方、専門特化型広告代理店は、「SEO対策」「PPC(クリック報酬型)広告」「ソーシャルメディアマーケティング」「コンテンツマーケティング」など、特定の分野に特化してサービスを提供します。専門性の高い分野での強力なパフォーマンスが期待できるため、「自社サービスサイトのSEOを強化したい」「Instagramを活用して商品の認知度を高めたい」といった特定のニーズを持つ企業にとっては有効です。
広告の制作・運用を広告代理店に任せるメリット・デメリット
広告代理店に依頼することにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。まずはメリット・デメリットそれぞれを理解した上で自社で内製化するか広告代理店を利用するか検討しましょう。
メリット①広告代理店の保有する専門知識やノウハウを利用できる
広告代理店は多種多様な広告運用に携わってきた経験があり、各業界のマーケティングのトレンドや最新の広告手法に精通しています。業界ならではの特徴を踏まえたうえでの施策を打ち出すことができ、独自のナレッジが代理店各社に蓄積されています。
メリット②自社内リソースの負担が軽くなる
広告の制作・運用に関わる業務は多岐にわたり、例えば掲載する媒体の選定やターゲティング設定、広告文やバナー画像といった各種クリエイティブの作成、計測ツールの導入・設定、運用開始後の分析・効果測定などを運用担当者が実行する必要があります。また、広告運用に不慣れなメンバーが運用担当者になった場合、設定ミスによって想定していた配信が実施できなかったり、効果が出せないというリスクも起こりやすくなります。
社内リソースを教育・育成に費やすのではなく、他のコア業務に集中させたい場合は、広告代理店への依頼を検討するのがおすすめです。メリット③媒体の最新情報のキャッチアップが早い
どういった広告が効果的かどうかは、媒体によってさまざま。さらに、媒体各社は常に自社のサービスをアップデートし続けているため、広告運用者は常に媒体の動向をキャッチアップする力が求められます。媒体側の担当者とつながっている広告代理店の場合、媒体の情報を直接聞いたり、媒体の主催する勉強会に参加して常に最新の情報を手に入れる環境があるため、広告運用を素早く最適化し、成果をもたらしてくれるでしょう。
デメリット①コストがかかる
広告運用を内製化する場合、広告にかかる費用は媒体側に支払う広告費+社内リソースの人件費ですが、広告代理店に依頼をする場合は広告費の20〜30%を手数料として支払う必要があります。また、代理店によっては手数料の中に広告文やバナー画像制作を含める場合と、別途制作費が発生する場合もあります。
デメリット②自社内に広告運用のノウハウが蓄積されにくい
広告運用をすべて代理店任せにしてしまうと、運用のノウハウを自社内に蓄積することができなくなってしまいます。ゆくゆくは内製化を目指していきたいという場合や、代理店を変更する可能性がある場合、あらゆるデータ・経験値がゼロになってしまうリスクがあります。
デメリット③コミュニケーションコストがかかったり、認識の齟齬が生じる可能性がある
特に運用の立ち上げ当初は、商品・サービスへの理解度が自社内のメンバーに比べると深まっていない状態のため、入念な打ち合わせを行い、認識のすり合わせを行う必要があります。ブランディングの観点からバナーや広告文に対してこだわりがある場合、事前にイメージを代理店に共有することをおすすめします。
広告代理店選びで失敗しないための10のチェックポイント
自社にとって適切な広告代理店を選定することは企業のマーケティング戦略を成功させる鍵となる一方で、選び方を間違えてしまうと時間やコストが無駄になるばかりか、ビジネス全体に悪影響を及ぼすことにもなりかねません。
ここでは、広告代理店選びで失敗しないために押さえておくべき10の重要なポイントをご紹介します。
1.業界知識と専門性
広告代理店が自社の業界に特化した知識を持っている場合、業界特有の課題や顧客のニーズに的確に対応できるため、より効果的な広告戦略を立案できます。例えば、同じ業界内での競争環境やトレンドを理解している代理店は、競合他社との差別化を図るためのクリエイティブやメッセージを提案することが可能です。
また、医療・金融・化粧品といった規制が厳しい業界においては、専門知識がなければ適切な広告展開が難しく、法的リスクが生じる可能性もあるため、業界知識の有無については確認をすると良いでしょう。2.過去の実績と成功事例
依頼を検討している広告代理店がこれまでにどのような成果を上げてきたかを確認することで、その代理店の実力や信頼性を客観的に評価することができます。また、その代理店が自社と同様の課題をどのように解決してきたかを知ることができ、今後の広告運用においても期待できる成果を予測しやすくなります。例えば、同業他社のプロジェクトを成功に導いた経験がある代理店であれば、自社の目標達成に向けた適切な戦略を提案できる可能性が高いでしょう。
3.データ分析力とレポーティング
広告運用を成功させるには、広告キャンペーンの効果をリアルタイムで把握し、迅速に最適化することが求められます。その上で重要なのが、代理店の「データ分析力」です。データ分析力が高い代理店は、広告のインプレッション数やクリック率、コンバージョン率などを正確に把握し、広告戦略の改善に反映させることができます。
また、「レポーティングの質」も重要です。定期的かつ詳細なレポートを提供する代理店は、広告運用の進捗をクライアントと共有し、効果測定の透明性を高めます。これにより、クライアントは広告費の効果をリアルタイムで確認でき、必要に応じて戦略の修正を迅速に行うことが可能です。また、明確なレポートを基に代理店とクライアントが協力して目標を達成するための次のステップを計画できるため、継続的な改善が期待できます。4.広告運用に使用するツールとテクノロジー
膨大なデータを処理し、リアルタイムでの最適化を行うためには、高度なツールやテクノロジーの活用が不可欠です。広告代理店がAIや機械学習を活用したツールを使用している場合、広告のターゲティング精度や効果測定の精度が向上し、より効率的なキャンペーン運用が可能となります。
また、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することで、手動での運用では実現が難しい高度なパーソナライゼーション(※ユーザーの好みや行動に合わせて特定の情報や広告を個別に表示するマーケティング手法)やリターゲティング(※1度自社サイトを訪れたユーザーを追跡して、ピンポイントで広告を配信するマーケティング手法)が可能になります。これにより、ユーザーごとの最適な広告配信が実現し、コンバージョン率の向上が期待できます。さらに、広告運用ツールの選定や活用方法に精通した代理店は、広告費の最適化を行い、投資対効果(ROI)を最大限に引き出すことができるでしょう。5.コミュニケーションの質と対応力
効果的な広告運用を実現するには、自社と代理店の間で継続的かつ明確なコミュニケーションが求められます。自社が目指す目標や期待する成果を代理店が正確に理解していなければ、戦略のズレが生じ、期待通りの結果が得られない可能性があります。質の高いコミュニケーションは、これらのリスクを最小限に抑えるために重要です。
また、対応力のある代理店は、キャンペーン中に発生する問題や急な変更に迅速かつ柔軟に対応できるため、ビジネスのニーズに合わせた即時の対応が可能です。こうした対応力が欠けている代理店では、機会損失や問題解決の遅延が発生し、ビジネスに悪影響を及ぼす可能性が高くなります。6.料金体系と費用対効果
広告代理店の料金体系には「定額制」「定率制」「成果報酬型」などがあります。各料金体系にはメリットとデメリットがあり、自社の予算や広告目標に合った体系を選ぶことが重要です。例えば、定額制は予算管理がしやすい一方、パフォーマンスが保証されない場合もあります。逆に、成果報酬型はリスクを分散できますが、成功報酬が高額になる可能性もあります。
また、費用対効果(ROI)の最大化も考慮すべきポイントのひとつです。広告費用がどれだけの利益を生み出すかを測定し、代理店が提供するサービスがその費用に見合うものであるかを評価することが重要です。低価格であっても成果が伴わなければ意味がありませんし、手数料が高額な代理店であっても、それに見合った成果を上げられる見込みが高ければ候補に残しても良いでしょう。7.運用体制とスケーラビリティ
Web広告運用において、運用体制は大きく「分業型」と「専任型」の2パターンに分かれます。
分業型…クライアントの窓口役を担う営業担当者、広告の入稿や入札調整を行う広告運用担当者、今後の設計を組み立てるプランニング担当者など、役割によって対応範囲が分かれている運用体制
専任型…クライアントとのやり取りや運用、レポート作成、プランニング業務などを1名ないしは少人数で実施する運用体制
「分業型」は各担当業務を効率的に推進するため、比較的質の高い運用を行うことができますが、情報伝達に時間がかかったり、配信状況や打ち合わせ内容が運用者に正しく伝わらずにミスが起こってしまう場合もあります。
また、「専任型」は担当者が直接クライアントとやり取りをするため、コミュニケーションロスを減らすことができる一方、案件状況によっては運用のリソースが逼迫してしまう可能性があります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、どちらの体制の方が自社の目指す広告運用にフィットしそうかを踏まえて比較・検討することをおすすめします。
また、広告キャンペーンの規模や範囲が変化した際に、代理店が柔軟に対応できるかどうかを示す指標である「スケーラビリティ」も代理店選定において重要です。例えば、小規模なキャンペーンから始めて、徐々に規模を拡大することが可能な代理店は、クライアントの成長に合わせた戦略を提供でき、結果的により高いROI(費用対効果)の実現が期待できる上、長期的なパートナーシップを築くことができるでしょう。8.サポート体制
広告運用は計画通りに進行しないことが多く、途中で予期せぬ問題が発生する可能性があります。例えば、広告配信のトラブルや、急な市場の変動に対する迅速な対応が求められる場面も少なくありません。このような場合、代理店のサポート体制が整っていれば、迅速かつ的確な対応を受けることができ、問題の早期発見・解決につながります。
さらに、広告運用は一度設定すれば完了するものではなく、継続的な最適化が必要です。サポート体制がしっかりしている代理店は、実施中の広告キャンペーンのパフォーマンスを定期的にモニタリングし、必要に応じて改善提案を行うことで、広告効果を持続的に向上させることができます。9.広告プラットフォームに関する認定資格の有無
Google広告やMeta広告、Microsoft広告などの主要なプラットフォームに関する認定資格を代理店が保有しているかどうかは、最新の技術やアルゴリズムに対応した広告運用が可能かどうかを判断する指標のひとつです。
例えば、Google広告の認定資格を持つ代理店は、検索広告やディスプレイ広告の効果的な設定と最適化に精通しています。そのため、広告費を効率的に使い、より高い投資対効果(ROI)を達成することが可能となるでしょう。また、資格を持つ代理店は、プラットフォームの最新機能やアップデートに関するトレーニングを定期的に受けているため、最新の広告戦略を導入する際にも有利となります。10.契約内容と条件の柔軟性
広告運用を代理店に依頼する場合は長期的なパートナーシップを築くことを踏まえて契約する場合が多いですが、ビジネスのニーズや市場の状況は時間とともに変化するため、契約内容が固定されすぎていると、迅速な対応が難しくなる可能性があります。
例えば、契約期間の長さや解約条件が厳しい場合、キャンペーンのパフォーマンスが期待に反しないときでも、容易に契約を見直すことができません。これにより、無駄なコストが発生するリスクが高まります。逆に、柔軟な契約条件を提供する代理店であれば、契約期間や料金体系の調整が容易であり、ビジネスの成長や変化に応じて戦略を適切に修正することが可能です。
さらに、契約条件が柔軟である代理店は、クライアントの要望に合わせたカスタマイズが可能であり、サービスの質を維持しつつ、必要に応じて広告予算の再配分や新しい広告チャネルの導入などを迅速に行うことができます。これにより、広告運用がより効果的かつ効率的に進行し、ビジネス目標の達成に寄与する可能性が高まるでしょう。
現在依頼中の代理店から別の代理店へのリプレイスを検討する最適なタイミングとは?
「現在依頼している代理店のパフォーマンスが期待に達していない」「代理店の担当者とのコミュニケーションが上手くいっていない」といった問題が生じている場合、ビジネス全体に悪影響を及ぼす前に適切な対応が求められます。
ここでは、新しい代理店へのリプレイスを検討すべき具体的なサインや最適なタイミングについて解説します。
①対応が遅い・期日遅れがある
デジタルマーケティングの世界では、消費者の行動や市場のトレンドが瞬時に変わることがあり、その変化に迅速に対応できる代理店が求められます。例えば、運用中の広告のパフォーマンスが予期せず低下した場合、即座に対策を講じる必要がありますが、対応が遅れると広告費用が無駄になるリスクが高まります。
また、対応の遅さや期日遅れの発生はコミュニケーションの質にも影響を与えます。代理店がクライアントの要望や質問に対して迅速に応答できない場合、信頼関係が損なわれ、戦略の共有や目標達成に必要な調整が滞ることになります。これにより、プロジェクト全体の進行が遅れ、ビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。②ミスが多発する
広告運用では、広告文やバナー画像といったクリエイティブ要素の設計から、ターゲティングの精密さ、予算の管理に至るまで、細部にわたる注意が求められます。ミスが頻発する代理店は、これらの重要な要素においても誤りを犯す可能性が高く、結果として広告の効果を著しく損なうリスクやクライアントが期待するROI(投資対効果)を達成できない原因となります。
また、ミスが多い代理店は、業務プロセスや内部管理体制に問題があることが疑われます。こうしたミスは、クライアントとの信頼関係を崩すだけでなく、広告費の無駄遣いやブランドイメージの低下につながる可能性も考えられます。③提案の拡張性が無い
広告施策に関わる戦略は、事業の成長や市場環境の変化に伴いアップデートし続ける必要があります。しかし、代理店が一貫して同じ提案を繰り返し、新しい戦略やチャネルを提案できない場合、広告運用の効果が停滞するリスクがあります。
提案の幅が限られている代理店は長期的なパートナーとして不適切であり、リプレイスのタイミングと考えられるでしょう。
相談〜運用開始までの7ステップ
自社にとって最適な広告運用を任せられる広告代理店を選び、運用を開始するまでの流れを7つのステップに分けて解説します。
ステップ1:現状分析・目標設定
広告代理店を選ぶ際の最初のステップは「自社の現状を分析し、明確な目標を設定すること」です。これは、効果的な広告運用の基盤となり、選定プロセス全体をスムーズに進めるために不可欠です。
まず、現状分析では、ウェブサイトやSNSの指標に注目し、月間訪問数、直帰率、コンバージョン率などを把握します。また、競合分析や市場ポジションの評価、現在のマーケティング施策がどのように機能しているかを定量的に確認するため、GoogleアナリティクスやSNSのデータ(※アカウントのパフォーマンスを数値で確認できる「Instagramインサイト」などの分析ツール)を活用しましょう。SWOT分析や3C分析などのフレームワークも役立ちます。
次に、広告運用における目標を具体的に設定することが重要です。目標は、「売上増加」「ブランド認知度向上」「リード獲得」など、定量的な指標(KPI)で設定すると良いでしょう。これにより、代理店選定時に目指すべき成果が明確になり、適切なパートナーを見つける指針となります。目標が曖昧なままでは、代理店が提供する提案も不明確なものになり、期待通りの成果が得られない可能性が高まる上、代理店側がCPA(※顧客・成果を獲得するために、1人あたりにかかった費用)やCPC(※ユーザーによる広告のクリック1回あたりに掛かる費用)、CPM(※インターネット上で広告が1,000回表示されるごとにかかるコスト)などのKPI低減を成果と主張するケースもあり、コミュニケーション上の齟齬が生じるリスクが高まります。
この段階でしっかりとした現状分析と目標設定を行うことで、以降のステップで代理店と共有するビジョンが明確になり、選定プロセスの精度を高めることができます。ステップ2:情報収集・候補の絞り込み
広告代理店を選ぶ際の次のステップは、情報収集を行い、適切な候補を絞り込むことです。信頼できそうな広告代理店のリストを作成し、各代理店の実績や提供するサービス内容を詳しく調べましょう。
まず、Googleなどの検索エンジンでのキーワード検索やSNS、広告代理店の比較サイトを活用して、レビューや導入事例を確認しましょう。
次に、代理店のホームページ上で専門分野や実績を確認したり、ダウンロード資料に目を通し、自社の目標に合った代理店に絞り込みます。広告代理店には先述の通り、フルサービス型や特定の広告分野に特化した代理店があり、それぞれに強みがあります。例えば、自社がSEOやリスティング広告に特化した戦略を求める場合は、その分野で実績のある代理店が適しています。一方、KPIを達成するための戦略立案から支援を受けたい場合は、フルサービス型の代理店に相談すると良いでしょう。
最後に、提案依頼書(RFP)を用意し、詳細な見積や戦略提案を受け取る段階に進みます。この時点で、最終的な候補を3〜5社程度に絞り込むことが理想的です。ステップ3:問い合わせ
情報収集を終え候補を絞り込んだら、問い合わせを行いましょう。
問い合わせ段階では、代理店のコミュニケーションの質を確認します。質問に対する返答が迅速かつ的確であるか、代理店がクライアントの要望に柔軟に対応できるかを見極める重要な機会です。コミュニケーションの質は、今後のプロジェクト進行においても重要な要素となるため、この段階で信頼できるかどうかを判断することが大切です。ステップ4:面談
問い合わせを行った広告代理店との面談を実施するにあたり、重要なのは事前準備です。
質問リストを用意し、運用体制、広告運用のプロセス、実績など、代理店各社に確認すると、比較・検討がしやすくなります。また、詳細な戦略提案や見積を受け取るために、提案依頼書(RFP)を用意しておくと、オリエンテーションが円滑に実施でき、代理店が自社の課題やニーズを理解した上で適切なアプローチを提案してくれるか、柔軟に対応してくれるかなどを見極める判断材料となります。
また、面談は代理店との相性を確認する上でも有効です。広告運用は長期的なパートナーシップになることが多く、信頼関係やコミュニケーションの円滑さが成果に大きく影響します。面談で感じた相性や信頼感が、代理店選びの決定的なポイントになることもあります。このステップでしっかりと評価することで、信頼できるパートナーを選び、広告運用の成功へとつなげることができます。ステップ5:提案内容の比較・依頼先決定
最終的にどの代理店に依頼するかを決める段階では、各代理店が提出した提案書を慎重に評価し、自社の目標に最も合致するパートナーを選ぶ必要があります。比較検討する際は、以下の3点を評価指標とすると良いでしょう。
①提案内容の具体性
提案が抽象的ではなく、具体的な数値目標(KPI)や施策を含んでいるかが重要です。特に、広告運用の戦略やターゲティング、メディアプランが詳細に記載されているか、成果を測定するための指標が明確に示されているかを確認します。
②コストとパフォーマンスのバランス
複数の代理店からの提案を比較する際、料金体系の透明性やROI(費用対効果)は大きな選定基準のひとつです。安価な提案に飛びつくのではなく、どれだけの投資でどれだけの成果を期待できるか、総合的に評価することが重要です。費用が高くても、長期的に見て高いリターンをもたらす代理店が最適な選択となる場合もあります。
③代理店との相性・信頼性
面談を通じて感じたフィーリングや、過去の実績、担当者の専門知識などを総合的に判断し、信頼できるパートナーを選ぶことが成功につながります。契約前には、最終的な提案内容や契約条件をもう一度確認し、すべての疑問点が解消された上で依頼先を決定することが大切です。
ステップ6:契約内容の確認・契約締結
このステップでは、提案内容が契約書に正確に反映されているか、条件が自社のニーズに適合しているかを慎重に確認する必要があります。契約書には運用の範囲や期間、料金、解約条件などの重要な要素が含まれており、特に以下3点をしっかり確認することが後のトラブルを防ぐためには重要です。
①料金体系と支払い条件が明確かどうか
料金が固定であるか、広告予算に対してパーセンテージで設定されているかなど、コストに関する透明性を確認しましょう。また、追加費用や変動要因がある場合は、その詳細についても事前に確認し、不明瞭な部分がないようにします。
②契約期間・解約条件
契約期間の長さや途中解約の際のペナルティの有無、契約終了後のサポートなどを確認しておくことが大切です。広告代理店との関係が長期にわたる場合、途中で戦略や状況が変わった際に、柔軟に対応できる契約内容であることが理想です。
③広告アカウントの管理権限の確認
広告を運用するアカウントの管理権限やデータの所有権が誰に帰属するのかを明確にしておくことは、キャンペーン終了後のデータ活用や次の広告代理店への引き継ぎを円滑に進めるために重要です。
ステップ7:広告運用開始
契約締結後、広告代理店は事前に設定した戦略に基づいて広告配信を開始します。この段階では、スムーズな立ち上げと効果的な運用が求められます。広告運用開始にあたって気をつけるべきポイントは以下2点です。
①目標設定が明確かどうか再確認
KPI(主要業績評価指標)やターゲットが代理店と共有されているか、広告運用の準備開始前に確認することが重要です。また、広告文やバナー画像、ターゲティング設定、配信スケジュールが、戦略に基づいて正しく設定されているかを代理店と最終確認しましょう。
②定期的なモニタリングとコミュニケーション
代理店は定期的に広告パフォーマンスのレポートを提供し、クライアントとのミーティングを通じて結果の共有と改善策を提案します。広告のクリック率やコンバージョン率、ROI(費用対効果)などのデータを分析し、必要に応じて戦略の修正を行いましょう。PDCAサイクルを回し、継続的な改善を行うことで、広告運用の効果最大化を目指していきます。
運用効果の最大化を実現するための広告代理店とのコミュニケーションのコツ
広告代理店とコミュニケーションを取る際には、以下を参考にすることでより成果を出しやすくなります。
①目標や期待値の明確化・共有
初期の打ち合わせ段階で、自社のビジネス目標や広告キャンペーンの具体的なゴールを詳しく伝えることが重要です。これにより、代理店が適切な戦略を立案し、方向性のずれを防ぐことができます。
②定期的な進捗報告とフィードバックのサイクルを確立する
広告代理店が提供する広告レポートや成果報告を定期的に確認し、必要な改善策を素早く共有することで、広告運用の効果を最大化できます。また、定期的なミーティングやオンラインでのコミュニケーションを活用することで、双方が常に最新情報を共有し、迅速な意思決定が可能になります。
③代理店への建設的なフィードバック
改善点や新たな要望がある場合は、具体的で分かりやすいフィードバックを提供し、相手が理解しやすい形で伝えましょう。これにより、代理店との信頼関係が深まり、より効果的な広告運用が実現できるでしょう。
まとめ
広告代理店の選び方は自社のビジネスの成功に大きく関わるため、慎重な検討が必要です。この記事で紹介したポイントを踏まえ、あなたの目指す目標の達成に最適なパートナーを探してみてくださいね。
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