「SNSマーケティング」とは?メリットや具体的な施策、成功事例のご紹介
TwitterやInstagram、FacebookといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用し、企業の売上やビジネスの成長につなげるためのマーケティング活動。それが、「SNSマーケティング」です。
近年はさまざまな企業が各種SNSを活用したマーケティングを展開していますが、「SNSマーケティングをどのように行えばいいか具体的なイメージが湧かない…」という方もまだまだ少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、「SNSマーケティングとは何か」という概要から具体的な施策例まで、詳しくご紹介していきます。
そもそも、「SNSマーケティング」って何?
SNSマーケティングとは、端的に言うと「ソーシャルメディアを活用したマーケティング手法」のことです。
活用するのは、FacebookやTwitter、Instagramなどのツールです。従来、情報収集をするためにはインターネットで検索をするのが主流でした。しかし、特にここ数年は、若い世代を中心に情報収集の主な手段がSNSによって行われるようになりました。
SNS上で興味のあるアカウントや友人とつながっていると、自力でキーワードを入力して検索をしなくても、自動的に注目度の高い情報が流れてくるようになったのです。
このように、SNSは「拡散力があること」も魅力の一つです。ユーザーが投稿をシェア、コメントすることにより、情報は拡散していきます。 さらに、SNSは双方向のコミュニケーションが可能です。顧客とのコミュニケーションを通じてロイヤリティを向上させることもできます。SNSに登録されているユーザー情報を元にデータを収集することもできます。SNSは既に単なるコミュニケーションツールではなく、マーケティングにおいて欠かせないツールなのです。
SNSマーケティングが注目されている理由
SNSマーケティングは、なぜこれほどまでに注目され、重要度が増しているのでしょうか。その理由のひとつが、「幅広い年齢層にスマートフォン・SNSが普及し、ユーザー数が年々増加傾向にあるため」です。
2021年1月に実施されたNTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、日本国内でスマートフォン、ケータイの所有者のうちスマートフォン比率は92.8%。年々、日本国内におけるスマートフォン比率は増加しており、2010年には4%程度だったスマートフォンの所有比率が2015年に5割を突破し、2019年に8割を超えました。そして2021年には、ついにスマートフォンの比率が9割を超えたのです。
図:ケータイ・スマートフォン所有者のうちのスマートフォン比率[調査対象:全国・15~79歳男女]注1:スマホ・ケータイ所有者が回答注2:「わからない」を除く注3:1台目もしくは2台目にスマートフォン所有と回答した場合をスマートフォン所有として算出出所:2010年-2021年一般向けモバイル動向調査
次に、年齢階層別ソーシャルネットワーキングサービスの利用状況についても見ていきましょう。総務省の「令和3年版情報通信白書」によると、「年齢階層別ソーシャルネットワーキングサービスの利用状況」は以下のような結果に。
全年代の約73.8%がSNSを利用している中でも、10代(13〜19歳)〜40代におけるSNS利用率は8割超となっており、多くの人がSNSを利用している状況だということが、このデータを見るとわかります。
つまり、SNSは多くの人が日常的に活用しているツールゆえに、マーケティング施策のひとつとしてもはや欠かせない要素となっているのです。
SNSマーケティングのメリットとは
SNSマーケティングにはさまざまなメリットがありますが、以下3点が具体例として挙げられます。
1.導入コストが抑えられる
SNSマーケティングは、企業にとって非常に費用対効果の高いマーケティング手法のひとつと言えます。なぜなら、
- YouTube
- TikTok
- LINE
といった有名SNSは、すべて無料で始められるからです。さらに、SNS広告を出稿する場合も、広告枠にもよりますが、TVCMや新聞のようなマス広告に比べると低コストで配信できるというメリットがあり、小回りの利く運用ができます。初期コストを抑えながら始められるため、費用対効果が高い施策の展開が期待できるでしょう。
2.ターゲット以外の層へも情報伝達できる
雑誌・新聞に広告を掲載する場合や、検索エンジン上の広告は、特定の狙ったターゲットにしか情報を伝達できません。しかし、SNSであれば、その拡散力の高さからさまざまな層の顧客にアプローチすることが可能です。
3.影響力が高く情報の伝達スピードが速いため、認知拡大につなげやすい
SNSマーケティングは、単なる一方通行の宣伝ではなく、運用の仕方次第では共感を生み出し、連鎖させていくことができます。そのため、いざ施策を実施してみたところ、想定を遥かに超えるような「バズ=拡散」が起きることも決して珍しくありません。
さらに、情報を素早く周知することに関しても圧倒的な効果を発揮します。情報をリアルタイムで発信できるだけでなく、発信した情報の反応も素早く確認することができます。
そのほかにも「ブランディング効果」や「顧客ロイヤルティの醸成」といったメリットが挙げられる一方で、SNSマーケティングにはデメリットも。「炎上のリスクがある」点や、「担当者のリテラシーが求められる」点などには注意が必要です。
「広く拡散されること」はSNSのメリットですが、拡散されるのはポジティブな情報だけではありません。誤解を招きやすい内容や、批判の対象の的になるような内容の投稿により、ネガティブな情報があっという間に広がってしまう場合も。
こういったトラブルを未然に防ぐためにも、SNSにおけるマナーや情報の扱いに関するモラル、セキュリティ意識などを正しく理解することが大切です。
SNSマーケティングにはどんな施策があるの?
具体的な施策の中から、5つの施策例の概要を解説します。
1.SNSアカウント運用
まず、もっとも低コストで始められる施策が「SNSアカウント運用」です。
SNS上に企業の公式アカウントを開設し、担当者が運用することで、企業の製品・サービスに関するプロモーションやユーザーとのコミュニケーションなどを行うことができます。公式サイトやプレスリリースなどは、企業からユーザーへの一方向の情報発信ですが、SNSは企業・ユーザーが双方向になっているのが大きな特徴です。企業はユーザーの反応をリアルタイムで見ることができ、ユーザーは企業やブランドに親しみ・愛着を感じ、より深く商品・サービスに興味を持ったり、愛用するきっかけにつながります。
2.SNS広告
SNSプラットフォーム(Twitter、Instagram、YouTube、TikTok、Facebook、LINEなど)は、それぞれのSNS独自の広告配信サービスを保有しています。画像・動画を用いた広告をユーザーに見せることができるため、訴求力が高く、テキスト広告(リスティング広告)と比較するとSNSユーザーの興味・関心を高めやすいというメリットがあります。
また、年齢や性別、職業、趣味など、詳細なターゲティングによりSNS広告を配信することもできます。そのため、狙ったターゲット層へ高い精度で情報発信ができる点もSNS広告を配信する魅力のひとつ。配信期間や予算も柔軟に設定でき、突発的な企画で広告を配信したり、緊急で広告を止めたいといった場合もすぐに対応できます。
3.インフルエンサーマーケティング
「インフルエンサーマーケティング」は、SNS上で多くのフォロワー・ファンを有する人(=インフルエンサー)の影響力をマーケティングに活用する手法です。
具体的には、チャンネル登録者数が多いYouTuberやフォロワー数の多いインスタグラマーなどに依頼し、
- 自社の店舗やイベントに来店してレビューしてもらう
- 自社の商品を使っている動画を配信してもらう
- 新商品開発の監修を依頼する
- アンバサダーとして長期的なパートナーシップを結ぶ
- ライブ配信により商品販促を行う(ライブコマース)
……といった施策を実施するのがインフルエンサーマーケティングです。インフルエンサーによっては、数十万人・数百万人規模のファン・フォロワーを抱えているため、その影響力は絶大。「企業」ではなく、インフルエンサーという「消費者」を主軸とした情報発信のため、広告臭が少なく口コミによる拡散も生まれやすい点も特徴と言えます。
4.SNSキャンペーン企画
「SNSキャンペーン企画」は、SNS上でユーザー参加型のイベントを企画し、認知度や集客力を高めるための手法です。
具体的には、
- 特定のハッシュタグをつけた投稿を促す
- 商品写真を投稿すると抽選でプレゼントがあたる
- 大喜利などのコンテスト形式で投稿を促す
…といったキャンペーン活動を行うことで、以下のような効果が期待できます。
- 自社SNSアカウントのフォロワー獲得
- 自社ブランドに関する写真・動画投稿(UGC)の増加
- 自社キャンペーン情報の拡散
- 店舗やイベントへの来店促進
新規顧客獲得はもちろん、既存のファンへの顧客ロイヤルティを高める手法としても取り入れることができるのが、SNSキャンペーンの特徴です。ユーザー自身が参加することで商品・サービスへの愛着を深めたり、その投稿を見た他のフォロワーが影響を受けて商品・サービスを購入・利用するといった効果があります。
5.ソーシャルリスニング
主にSNSを通して消費者の意見収集を行うビッグデータ活用手法が、「ソーシャルリスニング」です。
例えば、自社製品・サービスについてTwitter上ではどのようなことが呟かれているか、Instagram上ではどんなハッシュタグとともに写真・動画が投稿されているかなど、SNS全体を俯瞰した意見や情報の収集ができる点が特徴です。
ソーシャルリスニングは前述の4つのSNSマーケティング手法において、最適な打ち手を選択するための判断材料として現状・施策結果の把握をする重要な役割を担っています。マーケティングリサーチだけではなく、SNSマーケティングを行う上での基礎となる手法です。
企業側主体のアンケート調査と大きく異なるのは、ソーシャルリスニングではユーザーの自由かつ率直な意見を吸い上げることができる点です。
- ブランドや製品、サービスの評判やイメージ、口コミ内容の把握による改善活動
- ユーザーの顕在ニーズの把握と「潜在ニーズ」の読み取り
- 広告配信やプロモーションの効果測定と分析
- 業界トレンドの把握と予測
- 競合他社分析、SOV(シェア・オブ・ボイス)を把握した施策展開
- 炎上や風評被害へのリスク対策
……など、データを元にした様々な施策に活用することができます。
プラットフォーム別の施策例のご紹介
月間アクティブユーザー数:
4500万人(2017年10月時点)※参考:https://twitter.com/TwitterJP/status/92367103675895808
概要:
日々のつぶやきのメッセージを最大140文字以内という制限をつけて投稿するアプリで、1アカウント=1ユーザー同士が相互に繋がり、手軽な個人メディアのツールとして普及
メイン利用年代層:
10〜30代
効果的な施策案:
Twitter公式アカウント運用、Twitter広告、Twitterキャンペーン企画 など
Twitter運用のポイント:
Twitterで最も利用されている検索方法は「キーワード検索」です。企業がTwitterを利用する際には、「検索されやすい」キーワードを意識して情報を発信しましょう。また、Twitterは一度の投稿につき最大140文字という文字数制限があります。長文の発信ができないため、タイムラインの流れが早く、投稿が少ない場合に投稿を見られる前に流れてしまうこともあります。そのため、何気ない情報も含めて、投稿数を増やすことを意識しましょう。
月間アクティブユーザー数:
3300万人(2019年3月時点)
参考:
https://about.fb.com/ja/news/2019/06/japan_maaupdate-2/
概要:
写真や動画を共有することで人と人がより身近に繋がることのできるコミュニティづくりを提供しているアプリ
メイン利用年代層: