ネガティブはNG。「一緒に働きたい人」を言語化する
採用基準の再設定や現場とのミスマッチを防ぐことを目的に、私は「私たちが一緒に働きたい人ってどんな人?」をディスカッションするワークショップを企画しました。
ルールはシンプルです。
「一緒に働きたくない人」を語るとネガティブな時間になってしまうので、あくまでポジティブに「一緒に働きたい人」にフォーカスすること。そして、スキルの話ではなく「1.コミュニケーションの観点」、「2.スタンス・仕事の進め方の観点」の2軸で、個人ワークを経てチームごとに意見をまとめてもらいました。
すると、現場からリアルな声が次々と出てきました。
- 「文脈共有が丁寧な人(『なぜやるか』『どこまでやるか』を最初に渡してくれる)」
- 「主体性が高い人(『どういうことですか?』ではなく、『自分なりに調べてこう理解したけど合ってる?』とまず手を動かせる)」
- 「相手の立場・状況・理解度を想像した上で会話できる人」
わかるわかると思わず頷いてしまうような、解像度の高い理想の人物像が可視化されていきました。
採用基準づくりは「おまけ」。本当の目的は…
このワークショップ、当初の入り口はあくまで「採用基準の再設定に繋がればいいな」という考えからスタートしました。しかし、設計を進めるうちに、この研修の「裏テーマ(本当の目的)」が見えてきました。
それは以下の3つです。
- 共通言語の策定:相手への理想を言語化し、互いにリスペクトし合える土台を作る。
- 自己への内省:相手に求める姿は、周りから自分への期待でもある。「自分はそれができているか?」を省みる機会にする。
- 未来の仲間の定義:今後の採用基準の参考にする。
入り口だったはずの「採用基準づくり」は、実はおまけに過ぎませんでした。
「自ら動ける人がいい」と意見を出したメンバーは、「あれ、最近の自分は指示待ちになっていなかったか?」とハッとする。「文脈共有が丁寧な人がいい」と発表したチームは、「自分たちの普段の依頼の仕方はどうだろう?」と振り返る。
他者に求める理想を言語化する作業は、そのまま「じゃあ、今の自分はどうなんだ?」という自分自身を振り返る内省になっていました。採用基準を作るつもりが、いつの間にか既存メンバー同士の「働くスタンス」や「組織の文化」を再確認する、最高のチームビルディングにも繋がっていたのです。
まとめ
バックオフィスの仕事をしていると、採用活動は「外から新しい人を入れるためのタスク」、社内研修は「あくまで社内のイベント」と分断して捉えがちです。
でも今回の企画を通じて、この2つを掛け合わせることは「今いるメンバーの目線を合わせ、組織の基盤を強くするための文化醸成」に繋がるのだなと実感しました。ただ言われた事務作業をこなすだけでなく、こうした見えない組織の土台を作っていくことこそ、バックオフィスの大変だけど一番面白いところだと感じています。
採用や社内研修の企画に悩んでいるバックオフィスや人事の方は、ぜひ一度、社内のメンバーと一緒に「どんな人と働きたいか」を話し合う場を作ってみると新たな発見があるかもしれません。







