デジタルの力で新たな集客開拓を目指す三菱地所が、YOAKEに求めることと今後の展望
三菱地所株式会社は、東京都千代田区大手町に本社を構え、オフィスビルや商業施設の開発や賃貸・管理をはじめとする事業を展開する総合不動産デベロッパー企業です。
YOAKEは2022年より、同社のフレキシブルオフィスブランド「xLINK(クロスリンク)」のリブランディングプロジェクトに参画。ブランドサイトのフルリニューアルや公開後のサイト運用・改善、WEB広告を活用した集客施策のプランニング・実行をご支援しています。
三菱地所様がデジタルマーケティングを活用した集客施策に取り組むことになった経緯や、約1年半の運用を経た上での気づき、そして今後YOAKEに対して求めること・期待していることなど、ざっくばらんにお話を伺いました。
T.Y様:
フレキシブル・ワークスペース事業部 リーシング・オペレーションユニット ユニットリーダー
M.U様:
フレキシブル・ワークスペース事業部 事業戦略&運営ユニット 統括
「直接営業」「仲介営業」に続く第3の流入経路確保のため、デジタルマーケティング支援をYOAKEに依頼
ーはじめに、お二人が所属されている事業部の事業内容・ミッションを教えていただけますでしょうか。
Y:
私たちは三菱地所のフレキシブル・ワークスペース事業部に所属しています。本事業部のミッションは、「顧客の新しいニーズに対応した柔軟なサービスを提供すること」です。コロナ禍を経て働き方が大きく変化した中で、当社においてこれまでは一般的だったフロア単位やビル一棟丸ごとといった形で賃貸オフィススペースを提供というビジネスモデルも変わりつつあります。
そこで2019年に立ち上げたフレキシブルオフィスブランド「xLINK(クロスリンク)」をはじめ、子会社として運営しているレンタルオフィスブランド「Regus(リージャス)」の展開を通じて、幅広い業種・業態の企業にソリューションを提供しています。また、ワーケーション施設やフォンブースなど、多種多様な働き方に対応した新しいサービスも展開しています。
ーY様・U様のこれまでのご経歴を教えてください。
Y:
私は1996年に三菱地所に入社し、最初の5年は人事部で勤務しました。その後、5年間ロンドン支社に赴任し、日本に戻ってからはプロパティマネジメントやビルの営業に携わってきました。このように、長年にわたり不動産業界においてコーポレート業務と現場での実務経験を積んできましたが、デジタルマーケティングを営業に活用するというのは今回が初めての挑戦でした。
U:
私はこのプロジェクトに参画するまでは、不動産ファンド事業を手がける会社に出向して、投資家向けの営業を担当していました。不動産関連の営業経験は豊富ですが、デジタルマーケティングは正直のところ、全く初めての領域でした。「コンバージョン」といったデジタルマーケティング独特の専門用語や横文字にも戸惑うほど、はじめは右も左もわからない状態からのスタートでした。
Y:
私もUも、このプロジェクトが始まるまではIT・デジタルマーケティングはどちらかというと未知の領域でしたね。
ーフレキシブルオフィスブランド「xLINK(クロスリンク)」のデジタルマーケティングを導入しようと思った経緯を教えてください。
Y:
三菱地所がこれまで活用してきた顧客の流入ルートは、大きく分けて二つありました。まず一つ目が「直接営業」。私たちが直接お客様にアプローチする営業方法です。二つ目が「仲介営業」。長年のお付き合いのある不動産仲介会社を通じて、顧客を紹介してもらう営業方法です。
そして三つ目の流入ルートとして私たちが新たに導入したのが「デジタルマーケティング」です。「xLINK(クロスリンク)」の成約数を増やすためには、これまでの流入ルートだけではリーチしきれない新しい顧客層へのアプローチが求められるようになったため、デジタルマーケティングの力を活用してターゲットに効率的にアプローチすることが狙いでした。
また、デジタルマーケティングであれば、直接営業や仲介営業特有の営業ルーティンに縛られることなく、PDCAサイクルを高速で回すことで柔軟に施策を実行・改善できるのではないか…という期待もありました。
U:
私たちの事業部では、従来は30坪以上のフロアや、場合によってはビル一棟といった大規模なオフィススペースを中心に取引してきました。しかし、「xLINK(クロスリンク)」で提供しているような、2名から利用可能な小規模区画のフレキシブル・ワークスペースを扱う際には、これまでの営業ルートでは十分にリーチできないという課題がありました。
仲介業者とは長年の付き合いがあり、関係は深いものの、これまでとは異なるターゲットにアプローチする伝手がないため、小規模なオフィススペースの紹介はどうしても後回しになってしまっていたのです。
問い合わせ獲得だけでなく、サイト・広告からの成約達成のために全力で伴走してくれた
ーYOAKEにデジタルマーケティング支援をご依頼いただいて以降、具体的にはどういったことに取り組まれてきたのでしょうか?
U:
まず取り掛かったのは、「xLINK(クロスリンク)」のホームページのフルリニューアルです。以前のサイトは最低限のものだったので、見た目も機能も不十分でした。そこで、YOAKEさんに依頼してWebサイトを刷新し、ブランドの印象やユーザーの使いやすさが大幅に改善されました。
その後は、「xLINK(クロスリンク)」の新規立ち上げを毎年1拠点ペースで進めて行く中で、早期成約・稼働率向上を目指すためにWEB広告の運用やサイトの運用改善などを実施しています。
ーブランドサイトやWEB広告の運用を続ける中で、デジタルマーケティング施策を導入する前と後でどのような変化がありましたか?
U:
デジタルマーケティング導入前はWebサイト経由での商談が月1-2件ほどでしたが、現在は4倍まで向上しました。一方で、デジタルマーケティングを導入してからの約1年半で、お問い合わせ段階でのお客様の温度感の変化や成約までのスピード感に変化が劇的にあったかというと、まだそこまで大きな変化は感じていません。案件によってはすぐに決まるものもあれば、成約までに1年ほどの期間を要する場合もありますね。
ただ、以前に比べて拠点数が増えたという背景はあるものの「xLINK(クロスリンク)」というブランド名が広く認知されているということに関しては実感できるようになってきました。
特に、「丸の内 シェアオフィス」などのキーワード検索で私たちのサイトが上位に表示されるようになり、「三菱地所がこの分野の事業をやっている」ということが認知してもらえるようになったのは大きな変化だと感じています。
ーブランドサイトのリニューアルやWEB広告の運用改善を1年半ほど実施させていただいた中で、YOAKEとのお取り組みを通じて印象に残っていることがあればぜひお聞かせください。
U:先ほどもお話しした通り、私はデジタルマーケティングに関わったことがなく、広告代理店や御社のようなデジタルマーケティング支援企業と仕事をするのも社会人になってから初めてでした。
業界の特性や知識もあまりない状態でご一緒させていただく中で印象的だったのは、YOAKEさんが問い合わせ獲得だけでなく、成約までを共通の目標として支援してくれたことです。
どれだけ質の良い問い合わせが得られても、我々営業サイドの対応が悪ければ成約に繋がりませんよね。それでも、YOAKEは成約に結びつくことを見据えて全力でサポートしてくれていると感じています。
おそらく、他社であれば「問い合わせ獲得までが私たちの仕事」と区切るような領域を、YOAKEは最後まで一緒に取り組もうと考えてくださっている姿勢が非常に心強く、今後一緒にさらなる成果につなげていきたいと思っています。
Y:
デジタルマーケティングの主な強みはリード獲得だと思いますが、いくらリードを集めても、成約に結びつかないものでは意味がありません。そのため、私たちがYOAKEさんに期待しているのは、営業活動を通じて成約に至る可能性の高い質の良いリードです。
契約更新の条件として成約目標数を設定させていただいているのですが、YOAKEさんは期日までにその目標を達成してくれました。一緒に決めた目標を何とか達成するために尽力してくださったこと、そしてそれがちゃんと成果に繋がったことは、御社との印象深い思い出のひとつですね。
定石通りの手法やプロセスに囚われず、結果にこだわりどんどんチャレンジし続けてほしい
ー今後の「xLINK(クロスリンク)」の展望や、デジタルマーケティング活用による集客施策をより良いものにする上で、YOAKEに期待することがあればぜひお聞かせください。
U:
デジタルマーケティングを本格的に導入してから約1年半が経ち、見えてきた現在の課題は、「デジタルマーケティングでどれだけ効率よく質の良いお問い合わせを獲得し、成約に結びつけられるか」です。
大人数向けの広い区画の商談を成約に繋げるためには、当社の営業担当の営業力が試される部分も多いですが、少人数区画については時間や労力を大幅にかけることなく成約できるようにもっとデジタルマーケティング施策を改善していけたらと感じています。
Y:
私たちがYOAKEさんに対して期待しているのは「チャレンジ精神」です。従来の手法やプロセスに囚われず、我々が目指している目標に向けて挑戦してほしいと思っています。
デジタルマーケティングの世界は変化が激しく、私たちが直面しているマーケットもどんどん進化しています。YOAKEさんには、これまでの成功例に囚われず、常に新しいアプローチ方法を考えていただきたいですね。
例えば、今までのマーケティング手法では「こうするのが正解」とされていたことがあったとしても、それに固執せず、新しいアイデアを試してもらいたいと思います。
もちろん、すべてが成功するわけではありませんが、トライアンドエラーを繰り返してPDCAを回し続けることが重要です。もし失敗しても、次にどうすれば良いかを考え、すぐに軌道修正できる柔軟さが大切だと思います。
U:
我々はYOAKEさんに毎月定額で予算をお渡ししていますが、その中でどれだけ効率よく結果を出せるかを期待しています。成果が出る可能性があるなら、使い方は自由にお任せします。例えば、デジタルの施策に限らず、スタートアップ企業にオフラインでアプローチするという手段を取り入れても良いと思うんです。予算の範囲内でできることをどんどん試していただければと思います。
また、ターゲットについても、我々としては「こういう業種に絞るべき」という固定観念にとらわれる必要はないと考えています。これまでの成功事例に基づいて「この業種が強い」とか「このアプローチが良い」と決めつけるのではなく、まだ模索段階にあるからこそ、幅広いアプローチを試してみることが重要だと思います。
少しの成功事例に固執せず、次に何が成果を生むかはまだわからないという柔軟な姿勢を持つことが大切だと感じています。さまざまな試行錯誤を繰り返しながら、広い範囲で可能性を探っていけると良いですね。