1. 考えたい「デフォルトフォント」という選択肢
Webサイトの日本語フォントを考えるとき、いきなりWebフォントを読み込むのではなく、まずはデフォルトフォントを使うという選択肢があります。
ここでいうデフォルトフォントとは、ユーザーの端末やOSに最初から入っているフォントを使う方法です。
コーディング上では何もフォント指定しなければ、デフォルトフォントになります。
たとえば、MacやiPhoneではヒラギノ系、Windowsでは游ゴシックやメイリオなど、環境ごとに標準で入っているフォントが表示されます。
「迷ったらNoto Sans JP」ではなく、そもそもWebフォントを読み込まず、OS標準のフォントに任せるという考え方です。
デフォルトフォントを使うメリット
デフォルトフォントの大きなメリットは、フォントデータを外部から読み込む必要がないことです。
Webフォントを使う場合、ブラウザはフォントファイルを読み込む必要があります。特に日本語フォントは、ひらがな・カタカナ・漢字を含むため、欧文フォントに比べてデータが重くなりやすいです。
そのため、デフォルトフォントを使うことで、以下のようなメリットがあります。
- 表示速度を上げやすい
- 実装と管理がシンプルになる
デフォルトフォントのデメリット
最大のデメリットは、OSやブラウザによって見え方が変わることです。
Macではきれいに見えていても、Windowsでは文字の太さや印象が変わることがあります。 また、Android端末ではさらに違う見え方になることもあります。
なのでデザインカンプ上では整って見えていても、実際の表示環境では文字の太さ、行間、文字幅が変わり、レイアウトの印象が少し変わる可能性があります。
つまり、デザインの見え方を完全にコントロールすることはできません。
デフォルトフォントはこんなときに向いている
- ページ速度を重視したい
- Webフォントを読み込むほどの強いブランド表現が必要ない
- 本文の読みやすさを優先したい
- 安定性を重視したい
- 予算や実装工数を抑えたい
- 複雑な文字組みや特殊なデザイン表現が不要
2. Google Fontsの日本語フォントを使う選択肢
次に考えたいのが、Google Fontsなどの無料Webフォントを使う方法です。
現在は、日本語対応のGoogle Fontsもかなり充実しています。
代表的なものとしては、以下のようなフォントがあります。
- Noto Sans JP
- クセが少なく、読みやすく、もっとも基準にしやすい日本語Webフォントです。
- Zen Kaku Gothic New
- Noto Sans JPよりも少しデザイン性を出したいときに候補になります。
- M PLUS 1p
- やわらかさや親しみやすさを出したいときに使いやすいフォントです。
などなど
今回はフォントごとの詳しい説明は割愛します。
Google Fontsを使うメリット
Google Fontsを使うメリットは、無料で使いやすく、デザインの見え方をある程度揃えやすいことです。
デフォルトフォントの場合はOSごとに表示が変わりますが、Webフォントを読み込めば、どの環境でも近い印象を作りやすくなります。
色々な印象のフォントがあるので、サイトの目的に合わせてフォントを選べます。
Google Fontsを使うデメリット
一方で、Webフォントは読み込みが必要です。
特に日本語フォントは文字数が多いため、読み込むウェイトが多いほど重くなりやすいです。
たとえば、Regular、Medium、Boldなど複数の太さを読み込むと、その分データ量も増えます。
そのため、Google Fontsを使う場合は、
- 本当にWebフォントを読み込む必要があるか
- 本文まで使う必要があるか
- 見出しだけで十分ではないか
- 読み込むウェイトを増やしすぎていないか
を考える必要があります。
重要なのは、ブランドイメージや目的に最適なフォントを選ぶことです。
「Noto Sans JPが定番だから使う」のではなく、
「このサイトでは清潔感と読みやすさを優先したいからNoto Sans JPを使う」
「親しみやすさを出したいから丸ゴシックを使う」
「見出しに少し個性を出したいから別のフォントを使う」
というように、目的から逆算して選ぶことが大切です。
3. 有料フォントを使う選択肢
よりデザインの質やブランドらしさを高めたい場合は、有料フォントを使う選択肢もあります。
代表的なサービスとしては、Adobe FontsやFONTPLUSなどがあります。
有料フォントを使うメリット
無料フォントだけでは出しにくい、上品さ、個性、ブランド感、細かなニュアンスを表現しやすくなります。
また、企業サイトやブランドサイトでは、フォントの印象がそのままブランドの印象につながることがあります。
有料フォントを使うことで、他のサイトとの差別化がしやすくなります。
また、フォントの品質が高いと、見出しや本文の見え方が整いやすく完成度を高めやすいです。
有料フォントを使うデメリット
ライセンス費用が発生する
有料フォントは、利用条件やライセンスの確認が必要です。
クライアントワークでは、制作会社側の契約で使えるのか、クライアント側でも継続利用できるのかを確認する必要があります。
読み込み速度への影響がある
有料フォントもWebフォントとして読み込む場合は、ページ表示に影響する可能性があります。
設定や管理の手間が増える
Webフォントサービスの設定、ドメイン登録、タグの設置、契約管理などが必要になります。
また、サービスや契約が止まると、フォントが表示されなくなるリスクもあります。
長期運用するサイトでは、契約が切れた場合や更新されなかった場合のリスクも考える必要があります。
有料フォントはデザイナーにとって魅力的ですが、使うなら「本当にそのフォントである必要があるか」をしっかり考えることが大切です。
4. Noto Sans JPが選ばれやすい理由
やはりNoto Sans JPはかなり使いやすいフォントです。
- クセが少なく、幅広いサイトに合う
- 読みやすく、情報を伝えやすい
- 見出しにも本文にも使いやすい
Noto Sans JPは、絶対的な正解ではありません。
ただし、Webサイトの日本語フォント選びで迷ったときの基準としては、とても優秀です。
まずNoto Sans JPを基準にして、そこから
- もっと軽くしたいならデフォルトフォント
- もっと個性を出したいなら別のGoogle Fonts
- もっとブランド感を出したいなら有料フォント
というように考えると、フォント選びが整理しやすくなるかもしれません。
5. まとめ
Webサイトのフォント選びで大事なのは、プロジェクトの目的に合わせて選ぶことです。
- 表示速度を優先するのか
- ブランドイメージを優先するのか
- 読みやすさを優先するのか
- 他サイトとの差別化を優先するのか
- 更新性や運用のしやすさを優先するのか
- 予算やライセンス管理を考える必要があるのか
こうした条件によって、選ぶべきフォントは変わります。
Noto Sans JPは良いフォントです。
ただし、「みんな使っているから」「とりあえず無難だから」という理由だけで選ぶのではなく、サイトの目的に合っているかを考える必要があります。







